端材


 後工程のために、鋼管部材を切断する作業がある。この作業の班長さんが、端材が出ない様に加工する方法はないかと尋ねて来た。

例えば、1mの鋼管を切断加工して、20cm、30cmの部材を各4本造るとする。
この場合、20cmの部材を4本加工するために1本の鋼管を使い20cmの端材がでる。30cmの部材を4本作るためには、2本の鋼管を使い10cmの端材と70cmの端材がでる。

この端材がもったいないというのだ。
もったいないので、次に加工する時のために端材を保管しておく。しかし次の加工で端材が使われる事はなく、どんどん端材がたまって来るという訳だ。

賢明な読者様ならば、20cmと30cmの部材を一度に加工すれば、1mの鋼管は2本だけとなり、10cm、20cm、70cmの端材は発生しない、とお気づきだろう。

当然質問して来た班長さんも、それは分かっている。
先ず50cmの部材を4本作り、それを20cmに切れば残りは30cmになる。しかし正確にいえば、刃の厚み分だけ30cmの部材は短くなっている。20cm、30cmと交互に切断すれば良いが、そのためには加工位置決めの当て板治具を毎回あわせ直す必要がある。

従ってこの班長さんが解決したい課題は、加工位置決め治具を素早くセットする方法、もしくは複数の位置決めが出来る治具を考える事だ。

課題をこのように整理すると、方法はいくつも考えつく。
課題を整理し単純にする事が改善の第一歩だ。


このコラムは、2016年9月19日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第494号に掲載した記事に加筆修正しました。

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