二者択一


 何事かを決断する時に、A案かB案か選ばなければならない、こういう状況を二者択一に陥る、とか二者択一を迫られるという。二者択一には「陥る」とか「迫られる」というネガティブな印象がつきまとう。

例えば

  • 〇〇部門のパフォーマンスが下がっているのはリーダのマネジメントに問題 があるからだ。「リーダを変えるべきか否か」
  • 顧客Aの製品は価格が安く利益が出ない。「顧客Aの仕事は断るべきか否か」

このような悩みが二者択一問題と言っていいだろう。問題解決に答えを出すべき人間は悩むことになる。
しかし「二者択一にすることにより、正しい答えに到達しない」と考えるのが正しい考え方ではないだろうか?

部門のパフォーマンスが下がる理由がマネジメントにあるのか?
メンバー側に理由はないのか?
リーダを変えるのではなく、リーダの能力・行動を変えることもできるはずだ。

利益=販売価格ーコストである。「価格が低いから利益が出ない」というのは原因の一方しか見ていない。コストを下げても利益は出る。

どちらの問題も一面だけを見て短絡的に「二者択一」にしてしまっている。
二者択一問題に出会ったら、本当の問題、課題はどこにあるのか冷静に考えることだ。二者択一は問題解決方法ではない。


このコラムは、2019年8月19日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第864号に掲載した記事に加筆したものです。

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