続・働かせ方と働き方


 先週の雑感で取り上げた「働かせ方と働き方」に読者様からメッセージをいただいた。

※Z様のコメント

本来の「働き方改革」は労働の成果を如何に上げるか、という働く本人の課題と考えるべきだ。
そのために政治や企業が支援できることを考えるのが本筋だ。

まさにおっしゃられる通りだと思います。
経営側に近い与党の発想だと、こうなっちゃうんでしょうが、
その視点の誤りに対して、何も言わない野党も野党ですね。
ハイスペック人材の時間外労働時間制限の撤廃といった類の話じゃないですね。
今後とも宜しくお願い致します。

コメントありがとうございます。
確かに与党の政治姿勢は経営者よりかもしれない。しかしそれは景気をよくし国民の生活をよくするための手段として、企業が利益を上げるように政策の舵を取っているからだろう。
最近は経営者vs労働者というステロタイプな対立関係で情勢を理解できなくなっていると認識している。例えば私の世代は学生が最も急進的な左翼だったが、今では求人率の高まりを歓迎して、自民党支持の学生が増えていると聞く。

「働き方改革」の迷走は政府・与党ばかりの責任ではないと思う。非本質的議論ばかり繰り返す野党にも責任はある。最大のガンは、デタラメなデータを上げてくる役所ではなかろうか?

残業時間等に関するいい加減なデータを上げて役人がどういうメリットがあるのか不明だが、ひょっとして役所も「働き方改革」を阻止しようと考えているのだろうか(苦笑)

財務省などは「財政健全化」「国の赤字を子孫に回すのな!」などのお題目で消費税アップを狙っている。

確かに我々の家計で借金があれば問題だ。
しかし銀行融資ゼロという企業は、真面目に発展を考えているのだろうか?
ゼロ金利の時代に銀行から金を借りて将来のために投資をしようと考えるのがまともな経営者だ。バブル期に土地やゴルフ会員権を買いあさって失敗した経営者も多くいたが、これは投資ではなく投機だ。

国の借金が「悪」であると考えるのはおかしい。誰に借りているのかを考えれば自明だ。
例えば生活費が足りなくて借金をする。高利の街金融から借りるのなら問題だ。
奥さんが旦那に生活費を借りる。しかも旦那はお金を稼げる。これならなんら問題にはならない。

今の財政赤字は、政府(妻)が日銀(旦那)に生活費を借りているだけだ。日銀(旦那)は余分にお金を刷って国債を(妻から)買えばいいだけだ。

ちょっと本論から外れてしまった(苦笑)が、役人が政治を歪めているように思える。

ところで役人の「働き方改革」を阻害しているのが国会である、というのも笑えない事実だ。国会答弁の質問は、本来前々日までに提出する約束になっているそうだ。それは関連省庁から事実関係のレクチャーを受け国会で答弁するための準備時間を見込んでいる。しかし与党からの質問は、前日の夕方にしか出てこないそうだ。当然役人は徹夜で答弁原稿を作成することになる。


このコラムは、2018年7月20日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第695号に掲載した記事に加筆しました。

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