最近中国にてQCサークル活動を指導している中国人と知り合った.
中国の経営者は,日本的モノ造りの優位性を信じており,QCサークル活動に対しても少なからぬ期待を持っているようだ.
中国では,既に製造業以外でもQCサークル活動が行われている.
彼は中国の通信系会社(キャリア)でもQCサークル活動の指導をしている.
ところで,本家であるはずの日系中国工場のQCサークル活動状況は,あまりぱっとしない.大手企業はQCサークル活動を導入しており,グループ会社間で交流会を開催しているところもある.しかし中堅・中小の工場ではQCサークル活動を導入しているところは少ない.
QCサークル活動は,活動そのものによる改善効果だけではなく,チームワーク,仕事を通した求心力の醸成,問題解決能力,プレゼンテーション能力などの開発が期待できる.
中堅・中小企業の場合,適切な指導者が社内にいないなどの理由があり,QCサークル活動の挿入に踏み切れない.また外部から指導者を招聘すれば,費用の負担が大きくなる.などの理由により,なかなかQCサークル活動が活性化しないようだ.
また日本でQCサークル活動が停滞しているのも一つの要因だろう.
しかし中国では,リーダクラス育成のためのOJT効果を期待してQCサークル活動を再生できると考えている.
異業種交流の形をとって,QCサークル活動を導入するなどの方法を考えれば,中堅・中小企業にも比較的容易に導入可能だと思う.
日本で生まれ,日本の経済発展に貢献したQCサークル活動が,中国企業だけで活性化しているのを見るのは大変残念だ.
このコラムは、2010年5月24日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第154号に掲載した記事です。
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