12月12日は,原田師の追悼研討会に参加した.
会場は,鄭泰汽車輪股分有限公司.
鄭泰の社長鄭東海氏は,原田式経営哲学に触れ,1週間SOLID社の従業員寮に寝泊りし原田式経営を現場で体得した方だ.鄭氏はMBAホルダーであるが,MBA的手法ではなく,原田式経営を目指し,社内改革を推進している.
その改革の推進役として,昨年8月に原田師の元部下・羅国兵が鄭泰に招聘されている.羅国兵が先鋒として改革を推進し,その後次々と原田師の元部下たちが鄭泰の企業改革に招聘された.
今,原田師の元秘書だった閻苗苗を含めた7人の侍が,鄭泰の改革を推進している.このようにして原田師の経営哲学を受け継ぐ者達が,理想工場の実現を目指し活躍しているのを見ると,自分の胸の中にも炎が燃え上がる気がする.
この研討会に参加した明治大学経営学部・はお教授は,「21世紀型経営」という概念を話された.つまり,企業経営とは利益を追求すること,という過去からの定義に対し,企業経営とは従業員を幸せにすること,という新しい定義が「21世紀型経営」
だ.
従業員を効率よく働かせ,利益を極大化する経営が過去の企業経営である.従業員の幸せを目指し,従業員を育成することにより,組織の能力を上げる.利益はその結果であり,目的ではない.これこそが,原田式経営の核心だろう.
そんなことに思いをめぐらしていたら,中国常州で工場を経営する友人が,「さらば、さもしい経営者」という書籍を教えてくれた.この本の著者・松丸公則氏は,中国江蘇省太倉市にて台湾企業との合弁会社を立ち上げている.
松丸氏は
「従業員が幸せになればおのずと経営者も幸せになる。経営者が幸せになれば『幸せな会社』が生まれる。『幸せな会社』が集まれば社会がしあわせになる」という信念で経営をしているそうだ.
世の中は「21世紀型経営」に流れ始めていると実感した.
このコラムは、2010年12月20日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第184号に掲載した記事です。
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