「私は失敗しない。なぜなら、成功するまでやめないからだ」
大ヒットしたたまごっちの開発者・横井昭裕氏の言葉だ。
同様の格言はいくつかある。
「失敗は成功のもと」
「99回の失敗は99個のうまくいかない方法の発見」
「人は100回失敗することはできない、その前に成功してしまうからだ」
横井氏の格言は成功するまでの失敗はカウントしない、ポジティブな思考から生まれているのだろう。実際横井氏は玩具メーカを独立して10年間は売れない時代だったそうだ。しかしこの10年間が、たまごっち大ヒットの助走路だったのではないだろうか。
S字成長曲線という考え方がある。S字の左から始まる下部分を「緩やかな成長期」中央の上昇部分を「成長期」右に向かう上部分を「停滞期」と分ける。
学習もしくは訓練の初期段階はなかなか成果は出ない。ゆっくりと成長する。その努力が臨界点を越えると中央部の劇的成長段階に入る。その後成長は停滞し成熟期となる。
横井氏は玩具メーカ勤務時にすでに成熟期まで達していたのだろう。独立して10年間停滞期を経験した。この時期に「成功するまでやめない」という信条で仕事に取り組み、2度目の臨界点を迎えたまごっちの爆発的なヒットとなった。
S字成長曲線は一つのS字にとどまらない。成熟期に入っても努力を続ければ次の成長期がやってくる。「§字成長曲線」と言えばいいだろうか。
このコラムは、2020年3月30日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第960号に掲載した記事です。
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