賢者は他人の失敗から学ぶ


 「賢者は他人の失敗から学ぶ」ベンジャミン・フランクリンの名言らしい。
そしてこう続く「愚者は自分の失敗にも学ぼうとしない」。

失敗から学ぶ3ランクは、他人の失敗から学ぶ、自分の失敗から学ぶ、自分の
失敗からも学ばない、となる。
ベンジャミンの言い方を借りれば、
◯賢者:他人の失敗から学ぶ
△並の人:自分の失敗から学ぶ
×愚者:自分の失敗からも学ばない
というランク付けになる。

例えば、1月14日付のブルームバーグのニュースに以下のリコールニュースがあった。

トヨタ自動車は、米国で「レクサス」および「トヨタ」ブランドの一部車種約69万6000台を対象にセーフティーリコール(無料の回収・修理)を実施すると発表した。燃料ポンプが作動しなくなる恐れがあるという。

どのような故障なのか、その原因は何か、まだ何も発表されていない。
この時点で「他人の失敗」から学ぶことは、賢者といえどもほぼ不可能だろう。

しかしこの事故を抽象化し、「動力源が断たれた時に発生する事故」としたならば、

  • ガスストーブのガス開閉スイッチの故障の挙動。
  • ノンストップシステムの停電時の挙動。
  • フォールトレラントシステムの待機システム替え装置故障時の挙動。

など、抽象化した内容を自社製品に当てはめて考えることが出来るのが、本物の賢人と言えるのではないだろうか。

以上に挙げたような例は、当然製品設計時に考慮されているはずだ。
「設計時に考慮しているから大丈夫」と安心するのではなく「本当に大丈夫?」と考え検証するのが品質保証の立場だ。


このコラムは、2020年1月22日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第931号に掲載した記事です。

【中国生産現場から品質改善・経営革新】は毎週月・水・金曜日に配信している無料メールマガジンです。ご興味がおありの方はこちら↓から配信登録出来ます。
【中国生産現場から品質改善・経営革新】