不安パッと消えます


 布マスクで「不安パッと消えます」 官僚案に乗って炎上

 新型コロナウイルスの感染拡大防止をめざし、安倍晋三首相が表明した全世帯に布マスク2枚を配布する施策に疑問の声が上がっている。市販マスクの品薄解消のための、1カ月以上前からの「腹案」だったが、予算規模や確実に行き渡るかなど不明な点が多い。

(全文)

(朝日新聞より)

4月3日付の朝日新聞の記事だ。

武漢市封鎖中の中国から日本に戻ってきて、コロナウィルス感染に対する国民の危機意識の低さに呆れている。

国や自治体の対応の緩さも、中国と比較すると大きな差を感じる。
民主主義と一党独裁の政治体制の違いがあり、やむを得ないのかとは思う。

しかし日本の政治は「批判を避ける」政治になってはいないだろうか?
某新聞社は、政府のすることには全て批判する姿勢を貫いて報道をしている。
政治家や官僚はマスコミ・世間の顔色を伺いながら政策を決めているように思えてならない。

今回の報道では、コロナウィルス感染が始まった頃から効果が薄いとされていた布製マスクを一世帯二枚無償配布すると言う。ウィルスにとってスカスカの布製マスクをしても効果があるとは思えない。三人以上の家庭も多くあるはずだ。洗って使えるとはいえ、乾くまではマスクは使用できない。

問題は、マスクが不足しており購入できないことだ。
効果が期待できないマスクを各家庭に二枚配布して意味があるのか?
マスク不足を解消するには、マスクの供給を増やすしかない。こんな単純なことにどうして気がつかないのだろう。

各家庭に配布するマスクのコストが200億円だと言う。さらにそれを配達するコストが必要となる。郵便で送れば80×5000万世帯=40億円だ。
240億円もあれば、不織布を作る設備、マスクを作る設備を買うことができるだろう。この設備をコロナショックで倒産しかけている中小企業に無償供与。売上減少で解雇した従業員を再雇用して、マスクを全力生産。240億もあれば設備は何台も買えるだろう。地方に分散してマスクを生産すれば、地方経済も活性化する。危機脱出後は、通常の国内需要が確保できる設備だけ残し、他は経済援助として開発途上諸国に供与してしまえば良い。

【閑話休題】
シャープは政府の要請に従って、マスクの生産を開始した。TVニュースで生産工程の映像が映っていた。映像を見ると最終工程に検針装置らしきものが見えた。衣料品生産の工場では、折れた針が製品に混入していないことを保証するために、最終工程絵で検針装置を使うことが常識となっている。

玩具を生産している人に確認すると、不織布にホッチキスの針などが混入していることがあるので、検針装置を使うそうだ。
中国のマスク工場を見ると「オトメーション」(女工さんの手作業で生産)だ。台湾企業となってしまったシャープだが、現場の品質力はいまだ日本企業だ。


このコラムは、2020年4月6日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第963号に掲載した記事です。

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