日本で永らく生活していた中国人の友人と渋滞の高速道路を移動していた時、彼は溜め息まじりに「中国は日本に当分追いつけない」と嘆いた。工事渋滞で車が前に進まない。それに輪をかけて、1mmでも前に出ようと鍔競り合いを繰り返す車に嫌気がさして言ったのだろう。
日本では渋滞を起こさない様に、高速道路の大工事は夜間行う。
中国では、工事をしていなくても、車線を減らし対面通行のままだ。
以前アパートの付近で、道路下の排水管を直径3mほどの物に置き換える工事があった。工事期間は、道路は全面封鎖だ。東莞市の中心街の幹線路であり、周辺は毎日激しい渋滞となった。区間ごとに工事を完結させ、通行止めを解除すれば、それほど影響はなかっただろう。しかし工事区間全体で通行止めのまま工事を継続した。
「段取り八分」という言葉がある。段取りがきちんと出来れば、仕事の八割は完成、という意味だ。この段取り力が、仕事が順調にに行くかどうかを決める。
新QC七つ道具の中に、アローダイアグラムと言うのがある。
これは土木・建築業界でよく活用されているPERT法で使うプロジェクトの工期を管理する手法だ。中国の土木工事では、こう言う手法が活用されていないのだろうか?
しかし本当の問題点は、工期管理ではなく、工期中に社会に与える影響を最小にすると言う考え方の有無なのかもしれない。
このコラムは、2013年8月19日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第323号に掲載した記事です。
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