日本一短い会話は「け」「く」「め」


 全国でも高い自殺率やがん死亡率など、悪い指標が目立つ秋田県。「もっと県民が誇りをもてるように」と県調査統計課が「秋田の全国一」をまとめた。観光パンフレットや会話のタネに使ってほしいという。

 人口あたりの理・美容所数や刑法犯罪の検挙率、重要無形民俗文化財の登録件数など34項目。昨年トップだった全国学力調査の成績も。

 番外編には、日本一短い会話を入れた。秋田弁の「け」「く」「め」。「食べてください」「いただきます」「おいしい」の意味だ。

(asahi.netより)

「誇り」を持つということは重要だ.
秋田県同様に金沢市にも「金沢検定」という郷土の歴史,伝統,文化に関する知識を検定し初級,中級,上級の資格を認定する制度がある.受験対策本,過去問題集なども出ており話題を集めている.
上級ともなれば金沢在住の市民でも考え込んでしまう問題が出題されるらしい.

誇りを持つことの重要性は中国の工場でも同様だ.
自分たちの会社が他の会社と比べて何が自慢できるのか.
地域,業界でナンバーワンと誇れるものは何か.
ナンバーワンでなくともオンリーワンになれるものは何か.
ローカル幹部たちと真剣に討論してみると良い.

以前指導していた台湾資本の中国工場でもやってみた事がある.
台湾人,中国人の幹部を集めて皆で考えた.当初「そんなのないよ~」とネガティブな発言ばかりだった.
複数の同業者を指導した経験から,ヒントを提供するとぼちぼちと出始める.
「工程内不良100ppm以下の機種がある」
「治具の工夫がうまい」
「従業員のトイレがキレイ」
など考えるとそこそこ出てくるものである.

自分たちが少しでも誇れる事を見つけ,そこを更に磨きをかける.
これで自分たちの誇りを持てるようになる.

ニュースにある「け」「く」「め」は皆さんお分かりになったであろうか.
私は「け ば」(召し上がれ),「ん め」(おいしい)は分かったが「く」は分からなかった.

方言は「均一性」を前提としたローカルな文化だ.従ってこのような短い言葉で意思疎通ができる.
しかし中国の工場ではこうは行かない.「多様性」を前提とし分かるまでコミュニケーションをする必要がある.


このコラムは、2008年7月14日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第42号に掲載した記事に加筆しました。

【中国生産現場から品質改善・経営革新】は毎週月・水・金曜日に配信している無料メールマガジンです。ご興味がおありの方はこちら↓から配信登録出来ます。
【中国生産現場から品質改善・経営革新】