責任と裁量


 仕事の責任を果たすためにはそれに見合った裁量が必要である、という考え方は合理的な様に思える。部長の責任を果たすためには部長の裁量が必要、と言い換えれば当然の様に思える。

逆に新卒社員が事業戦略を考えるのに忙しいといって、コピー作業を断る事はできないだろう。

しかし「仕事」とは本来その様なものなのだろうか?

能力がある者に裁量が与えられ、仕事を完結させる責任を持つ、という考え方は、固定化された階層組織的考え方だ。大企業、官僚組織などはこの様な考え方をしなければ組織を維持できないのかもしれない。

しかし勢いのあるベンチャー企業は、逆の考え方をしているのではなかろうか?
逆の考え方とは、能力がある者が裁量を獲得し、仕事を完結させる責任を持つ。

裁量は上から与えられるモノではなく、自分から獲得するモノであり、責任を果たすのは義務ではなく自らの喜びである。


このコラムは、2019年2月18日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第786号に掲載した記事です。

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