バスケットシューズ


 スポーツ用品大手ナイキの「大失態」が米メディアをにぎわせている。米大学バスケットボール界のスーパースターが20日の試合で、履いていた同社製シューズが壊れたため膝を痛めて負傷退場。全米に衝撃を与えた影響で同社の株価が急落し、ロイター通信は21日の時価総額への影響を約14億6千万ドル(約1621億円)とまで算出した。

 負傷したのは男子の全米大学体育協会(NCAA)1部デューク大のエースで、プロのNBAで抜群の人気を誇るレブロン・ジェームズ選手の再来との呼び声も高いザイオン・ウィリアムソン選手。有名校との黄金カードで、靴底がはがれたために足を滑らせて転倒した。

(共同通信)

 バスケットの試合中にシューズの靴底が剥がれ、転倒。選手が怪我をした、というニュースだ。記事ではナイキの株価が急落したとあるが、2月27日には終値で86.17USDを付け2月の高値を更新している。

事故の翌日の終値は83.95USD前日の終値84.84USDから1.1%下落したが、27日の終値で2.6%上げている。市場は報道より冷静の様だ。

ナイキは過去にタイ工場で若年労働者を雇用し不祥事を起こしている。
おかげで当時顧客から中国工場の安全衛生管理監査を受ける事となった(苦笑)
その監査で工場玄関に掲げた「女工募集」の横断幕が、男女雇用均等の精神に反していると指摘を受けた(苦笑)

すでに10年ほど前になるが、スポーツシューズはナイキだろうがNBだろうが1足60元程度だった。もちろん中国製の偽物だ(笑)
エアークッションがついたナイキもどきのランニングシューズを使っていた。エアークッションに穴があきエアーが抜けた。そして程なく靴底がパックリと剥がれた。ランニングマシンで躓いた程度で怪我などしなかったが、相当恥ずかしかった(笑)

スポーツシューズメーカの大方は、すでに中国での生産を撤退しているだろう。ニュースの当該シューズはベトナム生産ということだ。

ネットの情報を見ると、怪我をした選手よりナイキに同情的な論調だ。

  • トップ選手なのに1万5千円程度のシューズを履いていた。
  • 身長、体重ともに大きな選手なので靴に負荷がかかりすぎた。
  • 三週間も同じ靴を履くなんて非常識。

どうも私の常識とは別世界の様だ。バスケットシューズを履く選手の体格が大きいことは想定範囲だろう。もしプロユースに使って欲しくないのならば、それなりに機能・性能を加減して設計し、その様に宣伝すべきではなかろうか。もちろん「アマチュア仕様」などとうたって宣伝することはない。逆に高機能モデルに「プロ仕様」と宣伝すれば良いだけだ。
こうしておけば、プロ選手がヤワな靴を選ばなくなるし、マニアがプロ仕様を喜んで買うのではなかろうか?


このコラムは、2019年3月6日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第793号に掲載した記事です。

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