中国人の管理職・監督職の皆さんに「何のために仕事をするのか?」と聞くことがしばしばある。彼らは怪訝な顔をして「家族のため」「生きるため」「金を稼ぐため」など超現実的な事を話してくれる。
「働く事を通して自己成長しよう」という方向に持っていきたい私の下心が満たされることはない(笑)
仏教に「法輪転ずれば食輪転ず」という言葉がある。法輪(仏教の修行)を一生懸命にしていれば、食輪も回る(生活が出来る)と
いう意味だそうだ。
仕事に打ち込むことにより自己成長する。その結果給料が上がり家族を幸せにする事ができる。これが「法輪転ずれば、食輪転ずる」の意味だろう。
つまり「食べるために働く」のではなく「働くために食べる」
昔の打工妹(出稼ぎ女工)たちは、食べるために働いていた。今の中国はもうそういう時代ではない。しかし昔の打工妹の真剣さを、今の若者と比較すると、物足りなく感じる。
「食輪は転じたが、法輪はもう少し」というところだろうか。
このコラムは、2019年6月17日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第837号に掲載した記事です。
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