地元タブロイド紙『東莞時報』に日本人女性・山田外美代さんが紹介されていた。2005年の愛知万博の開催期間185日間毎日、延べ243回参観した人だ。
ご主人、息子さんを伴い上海に移住され、上海万博も皆勤賞を目指しているという。このために既に900万円以上の自費を投入している。息子さんは教職員の職を辞しての、移住である。狂気ともいえる熱狂振りだ。
何が彼女をこの様な熱狂に駆り立てたのであろうか?
『東莞時報』によると山田さんは2005年は体を壊され5度も手術をするという、人生最悪の一年だったそうだ。たぶん毎日ふさぎがちな心を抱えて過ごしておられたのだろう。経緯は分からないが、万博に毎日出かけると言う行動をとった。その行動が、自分の心を変え、更に周りの環境も変えてしまった。
明るく、行動的で「素敵なおばあちゃん」と言う周りの評価が、更に多くの出来事を彼女にもたらしたのだと思う。それが彼女の人生も変えた。
経営者として成功するには、偏執狂的な熱狂が必要だ。
中国・華南で、すばらしい企業文化を築き、超優良企業を育てた原田則夫氏は99%うまく行っている会社で、企業文化が崩れてしまう1%の可能性を心配し、毎日毎日従業員を教育し続けた。
彼の教育とは、教師が学生を教える教育ではない。親が子供を育てる教育だ。農村出身の作業者に、経営を教え彼女が退職後田舎に帰っても食堂の経営が出来るようにしておいてやる。
並みの経営者から見れば「狂気の沙汰」であろう。
こういう狂気が偉人と呼ばれる人を作っているのだ。
「結果と言うものにたどり着けるのは、偏執狂だけである」
(アインシュタイン)
このコラムは、2010年5月10日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第152号に掲載した記事です。
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