子贡曰:“纣(1)之不善,不如是之甚也。是以君子恶居下流(2),天下之恶皆归焉。”
《论语》子张第十九-20
(1)纣:殷代最後の王。後に放蕩、暴政の暴君と言われる。
(2)下流:窪地で水が集まる場所。転じて道徳的に不利な地位を意味する。
素読文:
子貢曰く、紂の不善は、是くのごとく之れ甚しからざりしなり。是を以て君子は下流に居ることを悪む。天下の悪皆焉に帰すればなり。
解釈:
子貢曰く:暴君と言われる殷の紂王の悪行も実際はさほどでもなかったらしい。それが後世暴君のように言われるのは、道徳的に不善な環境にいたからだろう。だから君子はそのような場所にいることを憎むのだ。
本当の君主であれば、時代や周囲の環境に流されることなく、不道徳な世の中を改善するのではないでしょうか。子貢の紂王に対する評価は少し甘いように感じます。