自動車部品各社が中国の現地自動車メーカー向けの部品生産を拡大する。
タカタが現地メーカーからエアバッグシステムを受注、ミクニは上海でエンジン部品を量産する。中国メーカーは輸出拡大を目指しており、品質確保のため日系部品の購入を増やす。日本の自動車メーカーの現地生産拡大に伴い成長し
てきた部品各社の中国事業は、現地資本メーカーの需要を取り込む新段階に入る。(NIKKEI NETより)
日系の自動車メーカの品質要求はただ事ではない。
ステアリング関連の部品を生産している日系会社の社長さんは、「うちには出荷不良率という概念はない。出荷品はゼロディフェクトでなければならない」とおっしゃっていた。
又自動車向けのボルトを生産している日系工場では、自動光学検査装置による全数検査を導入しようとしている。これでボルトの頭に有るミリねじとインチねじを識別するためのドットを検査する。自動車メーカの組み立てラインは万が一ドットのないねじが見つかるとラインが止まってしまうそうだ。人による目視検査では漏れが発生するため、自動検査装置を導入することになった。
日系の自動車メーカの品質要求に鍛えられた日系の部品メーカの品質レベルもただ事ではない。
一方最近中国では、街中にたくさん自動車の修理工場ができている。
土間に穴を掘って下から修理ができるようになっている小さな町工場から、何台もリフトを持った近代的な修理工場まで各種各様の修理工場が見られるようになってきた。
この様な自動車修理業界の発展はとりもなおさず中国製の自動車の故障が多いためだ。
大雨で冠水すると、そこいらじゅうに車がエンコして止まっている。これは中国製の点火プラグ配線コードが水にぬれるとすぐに絶縁不良を起こしてしまうためだそうだ。
日系の自動車は中国製の自動車と比較して値段が高い。しかし中国製の車は2年3年使うと修理代がその差額を越えてしまう。
コスト競争に巻き込まれることのない圧倒的な品質優位でまだまだ日系企業が戦えるはずだ。
ガンバレ!ニッポン!
このコラムは、2008年1月21日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第17号に掲載した記事です。
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