子曰:“苗而不秀(1)者有矣夫,秀而不实者有矣夫。”
《论语》子罕第九-22
(1)秀:米や麦などの作物が穂を出し花を咲かせること。
素読文:
子曰く:“苗にして秀でざる者有るかな。秀でて実らざる者有るかな。”
解釈:
孔子は60歳を過ぎていたが弟子たちと共に衛の霊公を訪ねた。しかしその頃衛の国は父子が対立、不穏な治世だった。孔子は衛での任官を諦め、周辺国を彷徨っている時に陳と蔡の軍勢に囲まれてしまう。
この様な状況で弟子たちの不満が高まっているのを感じ取った孔子は、弟子たちを哀れに思う。
しかし弟子の中には苗のままで終わってしまう者もある。花が咲いても実がならぬ者もある。甘やかさず弟子たちを正しく導かねばならぬと思い直す。
下村湖人は「論語物語」でこの一節をこの様に描写しています。