『コロナ禍で製造業の国内回帰が進んだ米国で、浮き彫りになった「現実」』
ワイヤードの記事だ。もともと製造業の街だったミネソタ州ダルースでマスクの生産をしようと中国から設備を購入。生産を開始するが、センサーの故障でセンサーを中国から取り寄せる時間は操業ができなくなる。中国と米国の労働安全の認識の違いにより、危険なメンテナンス作業を強いられる。など多くの問題を克服しなければならなかったそうだ。
一度失われたものづくりの文化は、一社が努力しても簡単には復活できない。ということだろう。日本には伝統的にものづくりの技術を尊重する文化があるなどと安心できるだろうか?
経営効率を高めるために、現場作業者を派遣社員にして現場のものづくり技術を霧散させてしまったことは記憶に新しい。最近でもマスク不足のため中国のマスク生産設備を輸入した、というニュースを聞いて驚きと失望を感じた。
日本には創業1500年の企業がある。伊勢神宮の20年おきの遷宮を支えるため燕三条の企業が「和釘」を復活させた。など古来からものづくりの技術を守る文化はある。しかし伝統的建築に関する分野だけでは安心できない。
痛くない注射針の岡野雅行さんの岡野工業は引き継ぐ者がなく廃業したと聞いている。日本のものづくり文化が危機に直面しているのではなかろうか?
このコラムは、2021年7月26日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1167号に掲載した記事です。
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