モノ造りの力


 このメルマガで何度も「モノ造りの力」ということをお伝えしてきた。
先日テレビ朝日の番組でFAMZONという婦人靴ブランドを紹介しているのを見た。ヒール部分を交換できるパンプスをデザインし、人気になっているそうだ。気分によってヒールの色や形を変える、出かけるシチュエーションに合わせてヒールの高さを変える、そんなアイディアが多くの女性に受けているのだろう。

同社のホームページを見ると昨年6月に100足限定で販売開始、9月に正式販売後数日で在庫がなくなり販売停止、11月に再度販売開始している。

生産上の問題でもあったのだろうか?
番組では1/100mmの精度が必要だと紹介していた。
勘合部分は金属をインサート成形しているので、精度に問題はないはずだ。
多分靴底とヒールの接触部分の平面度精度が1/100mm必要になるのだろう。

このヒールを生産しているのは、カメラ部品を生産している町工場だ。
元々高精度の部品を生産していたのだろう。それでも量産をするのに苦労があったようだ。

アイディアを形にする、デザインを実現するためにはモノ造りのブレイクスルーが必要になる。

ノートPCのボディをアルミ合金にするために、Appleは工場にNCマシンを何台も並べた。これはあまり美しいモノ造りの力ではないが(笑)MacBookProのキーボードタッチは他社のNotePCとは別次元だ。

誰かが頭の中に描いたモノ、誰かが図面の上に描いた線を実現するのは、現場の匠によるモノ造りの力だ。


このコラムは、2018年4月9日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第651号に掲載した記事です。

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