ユーザ・エクスペリエンス


 「おもてなしの経営学 アップルがソニーを越えた理由」という本を読んだ。

著者の中島聡氏は、初期の月間アスキーに高校生アルバイトとしてプログラムを書いたりしていた伝説の人である。またマイクロソフトでウインドウズのユーザインタフェイスを設計した人としても有名だ。

「ユーザ・エクスペリエンス」という言葉はソフトウェア・ユーザビリティを越えた「使いごごち」のような概念の言葉である。中島氏はこの言葉に「おもてなし」という日本語を当てている。

ギーク(エンジニア)オタクっぽい本であるが、製品やサービスをどう設計しなければならないか、という観点で読むとモノ造りへのこだわりが見えてくる。

造る側(サービスを提供する側)のこだわりは「床屋の美学」(自己満足)である。ユーザのためのこだわりを持たなければならない。

ビルゲイツのこだわりは市場を取ること、相手に勝つこと。
一方アップルのスティーブジョブスのこだわりはユーザに感動を与えること。
このこだわりがあるからアップルはコンピュータメーカから脱皮できた。

これが「おもてなしの経営学」である。


このコラムは、2008年10月13日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第55号に掲載した記事です。

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