原因に対策


 「フランクル回想録・20世紀を生きて」という書籍に、田舎に引っ越した男が早朝の鶏の鳴き声で睡眠不足となる。男は鶏の餌に睡眠薬を混ぜて問題解決した。というエピソードが出ているらしい。

鶏の鳴き声がうるさくて睡眠不足(早朝に起きてしまう)問題の原因である鶏の鳴き声を除去する(時間をずらす)という意味では、秀逸な問題解決方法と言えるかもしれない。しかしこの対策の実施が許されるかどうかは微妙だ。

問題の原因をもっと広角でとらえる必要がある。原因には「田舎に引っ越した」も入るはずだ。これは自責なので対策は可能だろう。

また睡眠不足の原因は起床時刻だけではないはずだ。就寝時刻を早くすれば早朝に起床しても睡眠不足にはならない。鶏の鳴き声の時間をずらすのは問題かもしれないが、自分の睡眠時間帯をずらすのは何ら問題はない。

鶏の鳴き声が大きいのが睡眠不足の原因と定義すれば、防音が対策となる。防音装置が高額ならば耳栓でも良かろう(笑)

今回ご紹介した書籍「フランクル回想録・20世紀を生きて」は2011年11月の出版ですが、もう絶版になっているようです。著者は精神療法の創始者だそうです。しかし9年足らずで絶版になってしまうとは…


このコラムは、2020年10月14日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1045号に掲載した記事です。

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