データは現場・現物で理解する


 先日ある工場経営者から、部門ごとの生産効率のデータを見せられ「ウチの工場の問題点はどこにあり、どう改善したらよいか」と質問された。

エクセルに整理されたデータは、4つの生産部門ごとに毎日の生産数量、累計標準時間、投入工数が記録されている。生産効率は累計標準時間/投入工数で計算してある。

このデータを見せていただいて、データの取り方に問題があるのは分かるが、どこに問題があるかはこのデータからでは分からない

まず生産効率が100%を超えてる日がたくさんある。この工場が生産効率といっているのは「可動率」と同じ考え方であり、100%を超えるはずはない。
組立部門は毎日の生産効率が、20%から200%の間で変動している。ありえない。

また投入工数がゼロなのに生産出来高に数字が入っている日がある。

このようなデータを見ただけで、生産効率を阻害している問題点がどこにあり、どう改善すべきか分かれば天才を通り越して「神」である。

現場を熟知していれば、
部材欠品(たとえば梱包材料欠品)があり前日までの完成品は生産工程にうずたかく積み上げられている。梱包材料が手に入ると作業員全員で梱包だけして、ありえない数量の生産が1日だけで完了してしまう。
という現場の状況が推測でき、可動率が100%を超えるという信じられないデータが事実であるが、役に立つ真実ではないことが分かる。

部門全体のデータをまとてみていると、現場の各ラインで起こったことは見えてこない。インプットとアウトプットだけ見て現場を理解しようとすることに無理がある。

まずは層別をして改善に役立つデータに加工すべきである。
せめて生産ライン単位、生産機種単位に層別しなければデータは何も語りかけてこない。

層別したデータで、どこから改善するか当たりをつける。
現場で生産性を阻害する要因を洗い出して改善する。
という手順が必要だ。


このコラムは、2009年9月14日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第116号に掲載した記事に加筆しました。

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