班長マニュアル


 先週は「職位が人を育てる」というテーマで記事を書かせていただいた。
しかし勘違いをしてはいけない。職位を与えておけば自動的に人が育つわけではない。モチベーションを与えて、教育訓練をしなければ人は育たない。

作業者の中から少し優秀な者を班長に抜擢する。
これはどこの工場でも良くやっている。しかしきちんと教育訓練ができているところは少ないように思う。
このような状態で、元作業者の班長がめきめき力をつけて立派な現場リーダに育つというのは、ほとんど奇跡といってよいだろう。

作業者のためのマニュアル(作業指導書)はほとんどの会社で作っている。しかし班長のためのマニュアルがある工場はあまり見たことがない。

以前このメルマガで紹介したことがあるが、ある工場(台湾資本の中国工場)でこんな光景を見たことがある。

作業現場の掲示板に、A4の紙に「私は注意して作業します」と何度も何度も書いてあるものが、作業者の署名入りで掲示してあった。
事情を聞くと、班長が作業不良を多発する作業者に書かせたものだという。

たぶん班長は、作業者に作業不良を発生させないようにどう指導してよいか分からずに、昔学校で教師から受けた「罰」を思い出して同じことをしてみたのだろう。

苦笑するとともに、この班長が不憫に思えた。
この班長は会社からも上司からも何も教えてもらっていないのだろう。

班長に昇進したといっても、他の作業者と同じように農村で中学を出てすぐに出稼ぎに出てきた女工さんなのだ。その彼女たちに何も教えないで仕事をさせる方が間違っている。

作業者に作業指導書があるのと同じように、班長が仕事の指針とできるマニュアルが必要だ。そしてそのマニュアルを使いきちんと教育をする。時々現場でフォローをしてやることによりOJTをする。

実はある工場のためにそのようなマニュアルを作ってみた。
「現場リーダのためのQAマニュアル」というタイトルだ。
書くそばから項目を追加したくなりほぼ毎日改訂している(笑)


このコラムは、2009年11月30日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第128号に掲載した記事を修正・加筆しました。

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