先週香港まで畠中一郎さんというコンサルタントのセミナーを聞きに出かけた。
経営者が知らず知らずのうちに、周りが見えなくなり経営が危なくなる状態のことを「不知の病」と形容されていた。
そのときこんなエピソードを紹介された。
駅舎内にカリン糖を売っている商店がある。ここは大変人気店であり、四六時中行列ができている。
畠中氏は、こういう状態を消費者がどう感じているかをスタッフや知人を動員してその店の前を往来する人100名に聞いてみた。実はこういう行列が出来ているお店では、買い物をしたくないと答えた人が半分を超えたそうだ。
たくさん行列ができている商店の店主は、順調に商売が繁盛していると慢心していると、実は半数以上の顧客を逃していることに気がついていないのかもしれない。
これが「不知の病」の第一歩となり、あっという間に足元をすくわれてしまうということにもなりかねない。
順調の時は繁盛に目を細めるのではなく、ビジネス上の仮説と検証を繰り返し、常に目を見開いていなくてはならない。
このコラムは、2008年6月23日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第39号に掲載した記事です。
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