アフターサービスを競争原理に


 先週のメルマガに、読者様からメッセージをいただいた。

※Z様のメッセージ

坂根社長のお話、確かにNC旋盤の操作では、機械加工の原理は理解できません。僕自身も汎用旋盤で学びました。汎用旋盤ならどうにか使えこなせますが、NC旋盤はお手上げです。(笑) 
また、「コマツの競争力の源泉は、アフターサービス力にある。」この言葉に、日本企業の将来のヒントがあると思います。モノは簡単にコピーできますが、サービスのコピーは簡単にはできません。

基礎から理解しなければ、応用はできない。
NCマシンの操作ができても、それは職人ではなくプログラムオペレータに過ぎない。中国の工場を見ていると、最新設備を操作できる者が「上」とみなされているようだ。

3D-CADが使えても、金型が設計できるわけではない。基本ができていなければ、ただのお絵かきだ。NCマシンも3D-CADも、素材を加工するという最終目的の手段だ。手段が目的化しては本末転倒だ。

建設機械を購入されるお客様の目的は、工期どおり建設物を依頼主に引き渡すことだ。最新の機械を買うことが目的ではない。それを効率よく運用することがお客様の期待だ。

お客様の期待に応えられる様に、サービス体制を整える。修理・整備を迅速にすることにより、機械のダウンタイムを短くする。建設機械というものは往々にして、交通の不便な所で使うものだ。建設機械がどこで稼動しているか正確に把握してすることにより、サービス時間を短縮することができる。

そのためコマツの製品にはGPSが装備されており、コマツのサービスセンターは販売した製品がどこで稼動しているか正確に把握している。
この情報が、保養部品をどこのサービスステーションにどれだけ準備すれば良いかの基準となる。ムダやムラを排除した効率の良いサービス計画を立てることが出来る。

このデータは、営業活動にも活用できる。

業種、業態が異なっても、アフターサービスによるお客様の利便性や安心を付加価値とすることが出来れば、価格競争に巻き込まれないビジネスができる。常に「顧客目線」で、顧客の期待を上回る価値を提供し続ければ、価格勝負の企業と十分競争ができるはずである。


このコラムは、2011年10月17日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第227号に掲載した記事です。

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