中国北宋の政治家・范仲淹は「天下の憂いに先立ちて憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ」と「岳陽楼記」に記している。
為政者の心得として民の憂いを先立って捉え、楽しみは民に行き渡った後に楽しむ。という言葉だ。現代の為政者の中にはその逆を当然の権利と考えている者もあるようだ。そういう人々は「先楽後憂」とでも言えばいいだろうか。
これは政治の世界にだけ適用される言葉ではないだろう。先に憂いがあればリコールなど発生しない。仕事中の人身事故も同様だろう。
「憂い」とは「潜在問題」に他ならない。「憂い」を放置すれば災いがやってくる。
まずは心の中の「憂い」を可視化する。自分一人では解決できなくても可視化しておけば、解決できる人が現れる。可視化できていれば共有も可能のはずだ。解決策がまだ共有できていなくても、問題が共有できていれば、不都合は避けられる。
このコラムは、2021年7月19日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1164号に掲載した記事です。このメールマガジンでは、市場不良などの事例から再発防止対策のヒントをお伝えしています。
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