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君子は徳を懐う

yuējūn怀huái(1)xiǎorén怀huái(2)jūn怀huáixíng(3)xiǎorén怀huáihuì(4)

《论语》里仁篇第四-11

(1)怀:思念する
(2)土:郷土
(3)刑:法的罰則
(4)惠:物質的利益

素読文:
わく:“くんとくおもえば、しょうじんおもい、くんけいおもえば、しょうじんけいおもう。”

解釈:
君子は徳を磨く、小人は土地に執着する。君子は規則を重んじる、小人は恩恵に執着する。
小人は居心地の良い土地で安楽に暮らすことを願う。
君子はどんな環境にいても徳を磨く。徳を磨くために故郷を出て修行することもあるだろう。
君子は規則を重んじるが、小人は規則をすり抜けるために『関係』を重んじる。

下村湖人の解釈は少し違っています。
「上に立つ者がつねに徳に心がけると、人民は安んじて土に親しみ、耕作にいそしむ。上に立つ者がつねに刑罰を思うと、人民はただ上からの恩恵だけに焦慮する」

つまり君子が徳を磨けばその民も栄えるが、君子が刑罰で統治しようとすると民は刑罰を逃れようとする。
外発的動機付け(罰則や報奨)を使った統治では民は幸せにはならない、ということになるでしょう。

君子周して比せず

yuējūnzhōu(1)ér(2)xiǎorénérzhōu

《论语》为政第二-14

(1)周:qún。理性的に広く交わる。
(2)比:gōujié。利害関係で結託する。

素読文:
わく、くんしゅうしてせず。しょうじんしてしゅうせず。

解釈:
君子は公平な気持ちで広く人々と交わる。小人は利害関係で閥を作る。

同じように人と交流していても、その動機の違いで君子と小人に分かれる。周して比せずの君子は社会に益をもたらし、比して周せずの小人は社会に害を与える。

ちなみに渋沢栄一はしゅうを「あまねうして」と読んでいます。