「オンライン点検」などという言葉があるのかどうかわからない。
通常点検・メンテナンスは非稼働時に行われる。稼働中の設備を止めて、又は非稼働時を狙って点検を行い、必要があれば設備を止めてメンテナンスを行う。
以前JR西日本でのぞみ34号の台車に亀裂が入っているのにそのまま運行した重大インシデントについてメルマガに書いた。
メルマガ第607号:運行停止判断、なぜ遅れた? 「のぞみ34号」トラブル
メルマガ第649号:のぞみ34号
メルマガ第652号:組織事故
この事故は、走行中に異常を感知しながら、運行を止めて点検する判断が出来なかったという問題だ。幸いにも何事もなかったが、一つ間違えれば大事故につながる重大インシデントだ。
直接のぞみ23号に関わる記事ではないが、JRは運行中に線路点検をしている、という記事を見つけた。
「鉄道の点検は列車にお任せ、首都圏でハイテク車両活躍中」(朝日デジタル)
運行車両にセンサーを取り付け、線路などの状況を運行中に監視するという。
通常は保線区の職員が、徒歩で線路の状態を点検する。ハイテク車両はレーザ照射、カメラなどの装備を備え、画像診断でレール、枕木、留め具などの異常を発見する。
新幹線でも「イエロードクター」という路線点検用列車が走っているそうだ。
記事のハイテク車両は営業運転中の車両に点検装備が積み込んであるので、リアルタイムで点検が可能になる。更にこういう仕組みがあると保線要員が歩き回る必要は無くなる。
同様の発想で、車両の各部にセンサーを貼り付け振動解析をすれば、今回重大インシデントとなった台車の亀裂は簡単に発見できるだろう。
工場の設備も同様のことができる。
ベテラン保全マンは、設備の稼働音を聞いただけで設備異常の兆候を察知する。このノウハウをセンサーと音声解析に落とし込むことで、故障する前に予防保全が可能になるはずだ。
このコラムは、2018年5月9日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第664号に掲載した記事に加筆したものです。
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