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データは4K

 元々労働条件の悪い企業を指す言葉、キツイ・キタナイ・クライ・キケンを4K企業と言っていた。

しかし昨年12月22日の朝日新聞「かたえくぼ」に
 「データ管理は4Kで」隠す・消す・書き換え・黒塗り    ーー各省庁
と言う秀逸な風刺が出ていた。

掲載時期から判断すると、国土交通省の基幹統計データの書き換えを風刺したものだろう。

また企業の検査データの捏造も何度も報道されている。
この手の不正は一度手を染めてしまうと止めることができない。組織ぐるみで
不正を継続する事になる。

そこで私も検査データ管理の4Kを発表したい。
「確実に・潔白に・機密なく・個別に・公開する」

確実に:検査は正しい方法、機材、タイミング、判定基準で行う。
潔白に:データは誰からも疑問を持たれないように条件、測定者などを明確に。
機密なく:データの取り方、保管の仕方に機密なく。
公開:必要があればいつでも公開できるようデータを管理する。
こう言う姿勢で臨めば、後悔することはないだろう。

あっ、5Kになってしまった。
「検査データの4Kで後悔なく」と言う事にしましょう。


このコラムは、2022年1月26日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1246号に掲載した記事です。

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杭打ち工事、現場の言い分

杭打ち工事、現場の言い分。データ再調査は「パンドラの箱」となるか?=近藤駿介

 新たな不正が見つかり、日増しに批判の声が高まっているマンションデータ改ざん問題。この風潮に異を唱えるのが、30年前に元請会社の技術者として杭打ち工事を担当した経験を持つ、元ファンドマネジャーの近藤駿介さんです。
自然相手の工事における「必要悪」としてのデータ改ざんとは?

(以下略)
全文はこちら

(MONEY VOICE ニュースより)

 以前杭打ち工事のデータ偽造のニュースに関してコラムを書いた。

「旭化成建材、現場責任者の3割偽装 出向が大半、調査難航」

当初現場責任者の問題と言う論調だったが、予測通り業界全体の問題に発展して来ている。

本日取り上げたコラム著者・近藤駿介氏は杭打ち現場の経験があるようだ。現場人間の私には、彼の主張を理解できない訳ではない。

空調が効いたオフィスで仕事をしている実務経験のないボーヤが、偉そうに施工検査に来た所で何が分かる。と言う筆者の気持ちがコラムの端々から滲み出ている。

実務経験がない検査官は、施工データをどう読むか分からない。検査官は必要データが揃っている事をマニュアルに従って確認するだけになるだろう。コラム筆者はこのような「マニュアル検査」を続ける以上施工データの改ざん・流用は無くなる事はないと言っておられる。

この議論は納得ができない。

確かに現場には予期しないことが突発的に起きる。それによってデータが取れない事もあり得るだろう。だからといって、データの存在だけを問う施工検査をするから施工データを改ざん・流用してよいと言う事にはならない。データをきちんと取る様に努力を傾けるのが本物の現場人間だと思う。

コラム筆者は何度も「施工品質と施工データは別物だ」と主張しておられる。きちんと施工さえしていれば、施工データを改ざんしようが流用しようが施工品質は悪くはならない、と言う主張と理解した。
確かに、施工データは偽物でも、決められた材料を決められた工法で正しく施工すれば、施工品質は悪くはならないだろう。しかし正しい材料、正しい工法、正しく施工が行われた事をどのように保証するのだろう?

それを検証しようとすれば、破壊試験しかないだろう。

施工データは、合理的なコストで施工品質を保証する唯一の根拠だ。
施工データの改ざん・流用を施主の施工検査のせいにし、最終顧客には大丈夫だから信じろ、と言っているのと同じだと思うがいかがだろうか。


このコラムは、2015年12月7日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第453号に掲載した記事を修正・加筆しました。

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