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検査不正・罰則強化へ

国交省、検査不正で罰則強化へ 自動車メーカーに再発防止

 自動車メーカーによる新車出荷時の完成検査で不正が相次いだことを受け、国土交通省は7日、罰則を強化する方針を固めた。不正発覚後、是正命令に応じない場合に新たに罰金を導入するほか、国の監査で隠蔽を図った際の罰金を大幅に引き上げ、再発防止を図る。今国会に道路運送車両法改正案を提出する。

 不正発覚時に関しては、昨年秋の省令改正で是正を勧告できるようにした。これに加え、強制力のある是正命令を新設、履行まで出荷は一時的に停止できるようにする。罰金と併せて速やかに不正を改めさせる。罰金は数十万円とする方向で調整している。施行時期は未定。

(共同通信社)

 以前完成車検査不正が報道された際に、このメルマガでも取り上げた。

日産の完成車検査不正

日産不正検査

当初発覚した完成車検査不正は検査員資格のない従業員が検査を実施していた、という不正だった。当時は完成車検査(陸運局の車検を新車出荷時に自動車メーカが代行する)制度そのものの存在意義について疑問を呈した。

しかしその後も、排ガスや燃費データの改ざん、ブレーキ検査の不正などが次々に明らかになった。

メーカ側に同情的な意見を述べていたが、報道記事にフットブレーキの検査にハンドブレーキを併用していたという不正を目にして、もう同情の余地はなくなった(苦笑)

検査不正

罰金・罰則がなければ品質保証ができない、という日本車品質事情に深く失望している。昔、生産委託先の台湾企業の経営者が検査装置を導入するから品質問題はなくなると言われ苦笑した。その苦笑を日本の製造業に向ける日が来るとは想像だにしなかった。

日本製品の「安かろう悪かろう」という世界中の悪評を払拭し、日本品質を確立してきた先人の努力を思うと、残念でならない。

品質はお上に頼るのではなく、モノ造りに関わる一人一人の努力によってしか達成できないものだ。


このコラムは、2018年8月10日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第704号に掲載した記事です。

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三菱自、顧客に補償へ 対象車種の拡大焦点

 燃費データ不正問題で揺れる三菱自動車が顧客への補償の具体策を詰めている。問題の解明はまだだが、顧客つなぎとめには早期の対応が重要とみている。軽自動車4車種の改ざんだけでなく、現在販売中の他の車種について試験方法に不備があった可能性がある。影響がでる対象車種が広がるかも今後の大きな焦点だ。
 三菱自問題を受けて石井啓一国土交通相は22日、「極めて遺憾だ」と指摘、全容解明を求めた。

 顧客からの問い合わせが相次ぐなか、三菱自は実際の燃費が悪かったことで想定より余計にかかっていたガソリン代の提供などを軸に、補償額を調整している。

全文

(日本経済新聞より)

 「またか」と言うのが皆さんの感想だろう。リコール隠し、「空飛ぶタイヤ」事故を連発しふそうトラック・バスをダイムラーに奪われたのは記憶に新しい。エコ減税を期待して三菱の車を購入した顧客に対する重大な背任行為だ。

フォルクスワーゲンは、排ガス規制逃れの不正で2,000億円の赤字に転落している。不正がなければ増収増益だったはずだ。

どんなビジネスも顧客が有って成立する。顧客に対して不義を働けば必ずや因果は自らに返る。業績ばかりではなく、企業の存亡にすら影響を与える。

パジェロ、ランサーなどのコアなファンも多いはずだ。三菱自動車のエンジンは多くの自動車メーカにOEM供給されていると聞く。
「顧客第一」はただのお題目ではない。顧客の信頼を取り戻していただきたい。


このコラムは、2016年4月25日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第473号に掲載した記事です。

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