前回は司馬牛が孔子に「仁」を問うたのをご紹介しました。
「司馬牛仁を問う」
樊遅も孔子に「仁」とは何かと訪ねています。
樊迟(1)问知。子曰:“务民之义,敬鬼神而远之,可谓知矣。”
问仁。曰:“仁者先难而后获,可谓仁矣。”《论语》雍雅第六-22
(1)樊迟:孔子の弟子。
素読文:
樊遅、知を問う。子曰く、民の義を務め、鬼神を敬して之を遠ざく、知と謂う可し。
仁を問う。曰く、仁者は難きを先にして獲るを後にす、仁と謂う可し。
解釈:
樊遅が「知」とは何かと問うた。孔子曰く:知あるものは人としての義を尽くし、神や先祖を大切にするが、神や仏に頼る様なことはしない。それが知者というものだ。
樊遅は「仁」とは何かと重ねて問うた。孔子曰く:仁者は困難なことを避けずに行い、損得は後に考える。これが仁者というものだ。