サムスンは、リコールされた「Galaxy Note7」の「96%以上」を回収したと
発表した。ソフトウェアアップデートによって残るすべてのGalaxy Note7をまもなく使用不能にするとサムスンが発表した、2016年12月上旬の93%から増加している。1月8日の時点で、米国の大手通信事業者4社すべてがこのソフトウェアアップデートをリリース済みで、同国に残るすべてのGalaxy Note7がまもなくただの文鎮と化すはずだ。
(以下略)本文
(CNET Japanより)
9月5日発行の本メルマガ第492号に、ギャラクシーNote7のリチウムイオン電池の事故について書いた。事故原因は未だ明かされていないが、充電回路の問題と推定している人が多い様に感じる。短時間で充電出来る様に、充電回路を設計したのだろう。
本体を薄くするため、電池回りのスペースに余裕がなく組み立て後にストレスがかかっていたと言う推定をしている人もいた。今時の機構設計は3D-CADを使っているだろうから、ちょっと考えにくい。しかし電池の寸法パラメータを間違えて登録していれば、デザインルールチェックには引っかからない。
高い授業料を払っているのは、サムソンだから本当の原因を自分だけのモノにしたいのかも知れないが、不具合原因を公表し、業界全体の智恵としてエンドユーザの安全を守る、と考えていただきたいところだ。
今回の事件でサムソンの対応が参考になるとすれば、回収を決めてから4ヶ月で96%回収しているところだ。最初の頃は少しもたついた印象もあったが、結果的にはかなりの高率で回収が出来たと言ってよいだろう。
更に電源が入らなくなる様にOSをアップデートする。OSを自動アップデートに設定していなければ、この対策が有効にはならないかも知れないが、上手い方法を考えたモノだと感心した。
これもIoTの恩恵だ。回収・リコールの有効な手段になるかも知れない。
このコラムは、2017年1月16日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第511号に掲載した記事に加筆しました。
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