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是を持って孝と為さんや

xiàwènxiàoyuē:“nán(1)yǒushì(2)láoyǒujiǔshíxiānshēng(3)zhuàn(4)céngshìwéixiào?”

《论语》为政篇第二-8

(1)色难:色は顔色のこと。父母の顔色から想いを理解して仕えるのは難しい。
(2)弟子:年少者
(3)先生:年長者
(4)馔:食事をすすめる

素読文:
子夏しかこうう。
いわく:“いろかたし。ことれば、ていろうふくし、しゅあれば、先生せんせいせんす。すなわここもっこうさんや。”

解釈:
子夏が孝を問うた。
孔子曰く:“仕えるときの態度が大切だ。仕事があれば年少者が率先して手伝う。酒食はまず年長者に飲食してもらう。形だけでなく孝の気持ちを込めなければならない。”

設計力

 日経テクノロジーonlineに面白いコラムが出ていた。
「iPhone」がもうかる本当の理由

Apple社のiPhoneが儲かっているのは、製造固定費のマネジメントがしっかり出来ているからだ、と言う論旨のコラムだ。
このメルマガの読者様は「?」と思われたに違いない。
私もどういう意味か分からなかった。つまりApple社はファブレス企業であり、製造固定費は、変動費にしか見えていないと考えていた。製造固定費は、生産委託先であるFoxconnやその仕入れ先ベンダーが負担しており、Apple社への納入単価に入っているはずだ、と考えていた。

しかしコラム著者によると、生産委託先に投入される設備などの固定費をApple社が負担していると言う。

例えばMacBook Proの筐体は、NCマシンで加工している。NCマシンで加工すればサイクルタイムは長くなる。従って何十台何百台と言う規模でNCマシンを導入することになる。
iPhoneの生産工程でも、アルミ筐体とガラスの寸法公差がマッチしないために、現物の組み合わせで擦り合わせをして組み立てている。ここにロボットを投入している。
これらの費用は、Apple社が生産台数をコミットすることで生産委託工場が先行投資するモノと考えていた。工場を維持する経費や、生産委託元は、生産設備投資に関わる固定費を変動費化する事ができる。これがEMS活用のメリットだ。

大量のNCマシンや、ロボットの投資を生産委託先に任せず自社でやる理由が良く分からない。むしろ逆ではないか、と愚考した。一般的に、量産製品を大量のNCマシンで加工したり、組み合わせによる摺り合わせ作業などをするのは非常識だ。生産委託側が、そんな馬鹿げたモノ造りは出来ないと拒否されたのだろう、と考えた。
実際の所は、生産委託先のコスト構造を丸裸にし、生産コストに余分な経費が乗らない様にする、と言うApple側のコスト政策なのかもしれない。

しかし本日議論したいテーマはここではない(笑)
本当の「iPhoneがもうかる理由」は固定費マネジメントではない。別の所に利益の源泉があると考えている。

生産設備に投資するかどうかは、単純に「どれだけ売るか」と言う決断だ。
そして売れるか売れないかは、消費者が決定する。
利益を確保するためには、消費者が購買行動を起こす価値を作り込まねばならない。その価値に見合う価格であれば、売れる訳だ。その価値は、顧客の期待値<価値となった時に強い購買欲求が発生する。
消費者がまだ気が付いていない「驚きや喜び」という価値を提供する。これがApple社が目指す利益の源泉だと考えている。

iPhoneの表面の一体感を、材料精度や組み立て精度に妥協する事無く追求する。MacBook Proの操作感を上げるために、アルミボディをNCマシンで加工する。

使い易いは当たり前。一見馬鹿げた事にコストをかけるから、Apple社製品のアイデンティティが得られる。一見馬鹿げたコストが消費者の期待値を上回る価値を提供する。その結果Apple社のアイデンティティが消費者から支持され、商品が売れる。もうかる。と言うことになる。

Apple社には、スティーブ・ジョブズと言う天才が開発の中心におり、業績を伸ばした。彼はある種のカリスマとしてApple社とその製品を率いて来た。

米国の強さは、天才が閃いた考えを実現出来る所だ。
一方日本は、人と違う考えを持つ人間が排除される傾向にあり、天才が活躍出来る場面が少ない。凡人がよってたかって、ワイガヤ方式でモノ造りをして来た。そしてその限界を感じ、子供の教育に遡って改善をしようと試みたが、全くうまくいっていない、と言うのが現状だろう。

しかしApple社の事例では、ジョブズがApple社を追放されまた復帰する。復帰した後も、彼はカリスマ的存在であった事には違いない。しかし少しだけ、方針が変わって来た様に感じた。ジョブズ亡き後、その変化は明確になった。一人の天才が決めるのではなく、チームでモノ造りをする。

今Appleにはジョナサン・アイブ、マーク・ニューソンと言う二人のカリスマデザイナーがいる。二人の天才がお互いに協調してデザインをしている。「開発チーム」と言う言葉が意識され、チームで設計をすると言う印象が感じられる様になった。

そんな印象を持っていた時、こんなコラムを読んだ。
「日本が無意識に実践していた創造的活動を、欧米は意識的に体系化している」

欧米の学者たちが、日本で当たり前の様にやっていた「ワイガヤ方式」を研究し、創造的なアイディアを生み出す「デザインシンキング」と言う手法を活用していると言う。

ワイガヤ方式と言うのは、社内の公式・非公式の場を問わず、組織を越えてアイディアを出し合う事だ。喫煙所で雑談していて、新しいアイディアを思い付く。何か問題が発生すると、すぐ隣りにいる別の部門に相談に行く。そんな大部屋方式の職場でワイガヤ方式は盛んに行われていた。

「近代化=西洋化」と言う明治維新以来の思い込みのためか、バブル崩壊以降日本的経営に自信をなくした経営者は、欧米的経営手法を取り入れた。その結果組織ごとの責任と権限は明確になり、となりの部門の問題にはクビを突っ込まない。最近は同じ部門でも、用件はメールで済ませ、面と向かって議論する事が少なくなっているらしい。

そんな事をしている間に、欧米は日本式を研究し、それをシステム化している。

我々にとってワイガヤ方式は凡人が、天才に勝つための方法論だと考えている。
ワイガヤ方式をシステム化して、天才をネットワークされたら、我々には手も足も出ないと言う危機感を感じる。

設計力を上げるためには、設計者の能力を上げるだけではなく、ワイガヤのエネルギー(場のエネルギー)を高める必要があるだろう。


このコラムは、2015年4月20日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第420号に掲載した記事です。

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知的生産技術

 人にはそれぞれ能力の限界があり、分相応な成果しか出せない。
もっともらしい言葉だが、本当にそうだろうか。例えばアイディアの創出などは能力よりも技術ではなかろうか。

ブレインストーミングは、複数人で考えることにより一人ひとりの能力の合計プラスアルファの成果を出すことができる。また新QC七つ道具などにより、創出したアイディアを整理整頓して具体的な施策に落とし込むのも技術の助けによるものと言えるだろう。

天才に対して凡人が太刀打ちできないとしても、チームで適切な技術を使えば天才を超えるアイディアを創出することができるかもしれない。

一人でも同様にできるだろう。一人でブレインストーミングはできない。一人の場合はブレインダンプ(頭の中にあるものを全て吐き出すこと)し、ポストイットに書き出す。これを大きな模造紙、またはホワイトボード上に新QC七つ道具を駆使してアイディアを煮詰めてゆく。

当然複数人でやる方がメンバー間の交互作用の分だけメリットがある。しかし一人の方が良い点が一つだけある。PCやタブレット端末を活用できる点だ。画面は模造紙やホワイトボードより小さいが、拡大縮小で画面を大きく使える。新QC七つ道具の活用に向いているノートアプリも多くある。

ポストイット+模造紙を超える効果があるように思う。
しかしチームでアイディアを出すときはポストイット+模造紙の方がやり易いだろう。


このコラムは、2020年9月28日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1038号に掲載した記事です。

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天才と凡才

 人の能力は三段階に分かれるという。

  • 言語化されていなくてもできてしまう
  • 言語化され教えて貰えばできる
  • 言語化され教えてもらってもできない

※出展を忘れてしまったが「ラクをしないと成果は出ない」日垣隆著だと思う。

1が天才、2が凡才(凡庸な人ではなく普通の人)3は愚才という分類で良かろう。

天才は何でも楽々できてしまう人ではない(と凡人の私は想像する)。
他人がうまくできていることを言葉を通さず理解できる。それを努力を通して自分のものにできる人を天才というのだろう。つまり暗黙知をそのまま理解し体現できる人。

人から教えられることは言語化され形式知となった事柄だ。形式知を与えれば努力を通して自分の能力とできる。このレベルが凡才となる。凡才は天才よりランクが一つ下がるように思えるが、必ずしもそうではない(と凡才の私は思慮する)。
なぜならば、天才は暗黙知をそのまま自分の暗黙知としてしまうため、他人に教えることができない。一方凡才は暗黙知→言語化のプロセスで形式知化しているので他人教えることができる。例えば超一流のスポーツ選手が超一流のコーチにはならないのと同じだ。

稀に天才で教え上手がいるかもしれないが、我々凡才が天才に勝るところは後進を育成するとことにある(と凡才の私は確信する)。

凡才万歳である。

こちら↓もどうぞ
「天才と凡人の違い」


このコラムは、2021年1月15日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1085号に掲載した記事です。

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天才と凡人の違い

 天才と凡人というと少し大袈裟だが、仕事ができる人と普通の人程度の差と考えていただきたい。

例えば改善のアイディアを考えている場合で比較してみよう。
天才:101個目に偉大なアイディアが出るのを知っている。
   →天才はアイディアを量産する
凡人:1個目から偉大なアイディアが出ないのを恐れている。
   →凡人はこれもダメ、あれもダメと最初の1個のアイディアが出ない

天才:たくさん失敗することがうまくいくコツと知っている。
   →何度も試してうまくいく方法を見つける。
凡人:失敗を恐れてうまくいく方法を考え続ける。
   →何も成果が出ない。

天才:失敗したアイディアを自慢する。
   →周りからアイディアを提供される。
凡人:失敗したアイディアを隠す。
   →誰もアドバイスできない。

天才:できる方法を実行して証明する。
   →すぐ結果が出る。
凡人:できる方法を探して説明する。
   →説明だけなので結果は出ない。

天才:できない理由を覆すのに燃える。
   →当然結果につながる。
凡人:できない理由を説明するのが得意。
   →できない理由を説明しても結果は出ない。

私たちが実践しているQCC道場では、メンバーのブレインストーミングで活動テーマを決めたり、原因分析、改善対策のアイディア出しを行います。
「天才」がメンバーをリードしているサークルは問題ありませんが、「凡人」が仕切っているサークルは少しだけ我々が介入する必要があります。


このコラムは、2021年9月27日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1194号に掲載した記事です。

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孝とは

yóuwènxiàoyuē:“jīnzhīxiàozhěshìwèinéngyǎngzhìquǎnjiēnéngyǒuyǎngjìngbié。”

《论语》为政第二-7

素読文:

ゆうこうう。いわく:“いまこうは、やしなうをう。けんいたるまで、みなやしなうことり。けいせずんばなにもっわかたんや。”

解釈:

子游が孝とは何かを孔子に問うた。
孔子曰く:“最近では、親を養うことが孝だと言われている。しかし犬や馬でも養っている。これを孝とは言わぬ。尊敬の念がなければ孝とは言えない。”

不満と不安

 誰もが、生活上であれ仕事上であれ不満と不安を持っているものだ。
太っているから女性(男性)にモテない、このままいくと結婚できないかも。
こういう不満や不安は放置しておいても、何も解決しない。放置しておけばむしろ不満・不安は増長する。

仕事も同様だ。生産リードタイムが長い。このままでは顧客納期が守れない。顧客が流出し、売り上げが減少するかもしれない。これも同様な「不満と不安問題」だ。この不安と不満も放置しておいても、何も解決しない。むしろ増長する。

どちらの「不満・不安問題」も行動を起こさなければ解消はしない。

太っているならば、食事制限をする、運動をするなどの行動を起こさねば現状は変わらず、不安は解消しない。
仕事もリードタイム短縮の行動を起こさねば不安は解消されない。

そう考えれば「不満と不安」は具体的な行動を起こす起爆剤と言えるだろう。逆に言えば、不満も不安もない人(会社)は成長しない、ということだ。

したがって不満を不安に感じるのではなく、不満を成長の糧とすれば不安ではなく、成長が手に入るはずだ。


このコラムは、2021年10月1日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1196号に掲載した記事です。

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