副操縦士「皆が私の名を記憶することになる」 独機墜落


 フランス南東部での旅客機墜落で、独紙ビルトは28日、意図的に墜落させたとみられる副操縦士と以前交際していた女性のインタビューを報じた。それによると、アンドレアス・ルビッツ副操縦士(27)は「自分はいつかシステムを大きく変え、皆が私の名を記憶することになるだろう」と述べていた。仕事の待遇への不満や将来への不安ももらしていたという。

 副操縦士のかかりつけの医師が精神疾患で長期の治療を勧めていたとの報道もある。独検察当局は家宅捜索で診断書を押収しているが、病名は明らかにしていない。

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(日本経済新聞電子版より)

 山腹に向って一直線で降下して行った異常な飛行に多くの疑問を持った。副操縦士が故意に墜落させたのではないかとの疑念が高まっている。報道により徐々に事故の概要が見えて来た段階で、1982年に発生した「羽田空港逆噴射事故」を、多くの方が想起されただろう。機長が着陸時に逆噴射により、羽田沖に機体を墜落させた事故だ。

旅客機事故を詳しくウォッチしている訳ではないが、「逆噴射事故」以来乗務員の精神状態異常による事故は、今回が初めてではないだろうか?
旅客機事故による影響は、自動車事故の100倍以上となる。従って航空会社は他社の事故であっても、再発防止に真剣に取り組んでいるはずだ。別の記事によると、JALもANAも定期健康診断で乗務員のメンタル面を把握しているそうだ。

ボイスレコーダーの記録によれば、コックピットから閉め出された機長が扉を蹴破ろうとしている。当然前列に着席している乗客にはこの光景が目に入っていたはずだ。想像を絶する恐怖の中で、機体は山腹に激突したのだろう。

度重なるハイジャックにより、コックピットの扉は外からは開かなくしている。今回はこれが裏目に出た。しかも新しい機材は、航空機関士の乗務が不要だ。コックピットは機長と副操縦士の二名のみになる。どちらかに異常が発生した時に、一人で対処しなければならない。異常行動を制圧し、危険回避をする事になる。

この事故の後、航空会社各社は新たな再発防止をすることになるだろう。

工場の経営も同様に、他社の事例から学び事前に再発防止を実施しておかねばならない。業種、業界を越えて学ぶ事はあるはずだ。例えば、他社で発生した労働争議の原因を知れば、予防対策が出来るはずだ。


このコラムは、2015年3月30日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第417号に掲載した記事です。

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