正しく問題に焦点を当てる


 材料倉庫がいっぱいになってきたから、別の場所を借りる。こういう問題解決方法は、発生した好ましくない現象を追認する対策だ。

不良が発生するので、検査をしましょう、と言う対策と同じだ。
不良が発生すると言う好ましくない状態を放置して、検査で選別するという対策で解決を図ろうとする。これではいつまでたっても、本当の問題解決は出来ない。

材料倉庫の収納効率が上がるように、収納方法を変更する。
作業員に収納方法を周知させるために、作業手順書を作る。
それが継続して守られるように、チェックシートを作成し倉庫巡回をする。

こんな解決方法ではどうだろうか?
場合によっては、これが正しい解決方法かもしれない。

この手の解決方法は、主婦のための雑誌によくある「聡明な女性は収納上手」的な特集記事と同じだ。いろいろな工夫や、テクニックは教えてくれるが、これで問題が解決してしまったと言う人はあまりいないだろう。1年もすれば、元の木阿弥だ。

倉庫も同様だ。
管理者は、管理の維持が難しいという。
しかし本質は、増え続ける材料在庫が問題なのだ。

正しく問題に焦点を当てることができれば、在庫が増えないように問題解決するはずだ。ここに手を打たずに、収納量を上げる問題解決をしても問題は必ず再発する。

収納効率を工夫することは悪いことではない。しかし要らないモノは捨てる、要らないモノが増えないようにする。こういう問題解決をしなければ、対策の効果は一時的なものにしかならない。


このコラムは、2010年11月22日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第180号に掲載した記事です。

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