先週は、広東省恵州市にある中国大手家電メーカの工場を訪問した。
副総経理の案内で30分ほど生産現場を見せていただいた。工場を一目見て、日本人が指導した工程だとすぐにわかった。
一年前に訪問して、これではダメだと私を連れてきた友人はその変貌振りに驚いていた。多分この一年の間に、日本人を招聘し指導を受けたのだろう。短時間の訪問だったため詳細は分からないが、少なくともパッと見には良くできた組み立てラインになっている。
台湾、香港を含めた中華系企業は顧客に品質が悪いといわれると、すぐさま検査装置を買ってくる。これで品質は大丈夫だという考えだろう。
これでは良品を選択しているだけで、品質は良くならない。
しかしこういう割りきりがあるため、日本人を連れてきて工程改善をする、ということをいとも簡単にやってしまう。技術を教わればそのレベルには容易に到達できる。
しかし日本のモノ造りのココロの本当の強さは、技術的なノウハウではないと考えている。本当の強さは、毎日現場が進化する仕組みと仕掛けだ。私の仕事も、コンサル契約が終わった後も現場が継続的に改善を続けるようになることだと考えている。
中華系企業がこれに気がついたときに本当の競走が始まると考えている。
このコラムは、2009年6月22日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第103号に掲載した記事です。
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