メモの活用


 先週は偉そうに「メモの効用」などと書いてしまった。
「ワインバーグの文章読本」と言う書籍で著者の「自然石文章術」と言うのを知ったのがきっかけだった。家を作る時は手ごろな石ころを集めそれを適切な部分に当てはめて壁を作る。文章作成も同様な作業だとワインバーグは書いている。

毎週メルマガの原稿を書くのに苦労している私は早速B6サイズのメモ用紙を購入し、思いついたことをメモし透明ビニール袋にため込んだ。アイディアに困った時にビニール袋のメモを机の上に並べて、卦を読む占い師の如く(笑)何かが降りてくるのを待つ、と言う作業をしていた。

しかしメモ用紙(石ころ)は増え続けアイディア降臨の作業はどんどん非効率になっていく。そんな訳でメモ用紙による石ころ収集作業はやめて、Evernoteに蓄積する様に変更した。メモ用紙はキャッシュメモリーの如く、主記憶に入力したらすぐ捨てる方式にした。Evernoteに保管するアイディアはある程度意味のある文章の場合も、単語だけの場合もある。それらを順番に眺める事もあるが、こんなテーマでと思いついた単語で検索する事もある。

先週のメルマガを読まれた読者様からメモ用紙やノートを分けるのは好ましくないと、一冊のノートで会議の議事録や日々思いつくアイディアも記録する方法を教えていただいた。記録は普通にノートを使い、アイディアは後ろのページから使っておられるそうだ。ノートを使い終わったら、アイディアのページは切り離しバインダーに閉じるそうだ。この方法ならば、メモ用紙の様に散逸する心配はないし、いつも一冊のノートを手元に置いておけば良い。
唯一の欠点はアイディアをバインダーに移した時に時系列にならない事だとおっしゃっていた。しかし日々の記録は初ページから横書き、アイディアは後ろページから縦書きにする、方眼ノートを使えばアイディアは後ろから上下反転して使えばいいかもしれない。

こう言うノート術は初めて知った。優れたアイディアだと感心した。
しかし検索ができるのが電子メモの利点だ。これはどうしても紙では太刀打ちできない。


このコラムは、2022年4月15日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1280号に掲載した記事に加筆しました。