余白が新しいモノを産む


 「余白が新しいモノを産む」私が尊敬する友人・原田遼太郎氏の言葉だ。彼は中国で学生を巻き込んで、元ハンセン氏病患者の隔離村支援を実践してきた人だ。彼の活動はこのメルマガでも何度が紹介した。

「世界を変える」
「モチベーションの高め方」
「高離職率組織の運営」

彼がいう「余白」というのは組織の「余白」のことだ。組織をキチッと定義し、運営をすると組織の活力が失われる。というの彼の言葉の真意だと思う。(オンラインでスピーチした内容なので真意を確かめるチャンスがなかった)

例えば企業の組織で考えてみよう。マーケティング部門が商品企画を考える。開発部門がその企画を製品に落とし込む。生産技術部門は製品の生産工程を作り上げる。製造部門が製品を生産。営業部門が顧客に販売し対価を得る。その他の間接部門も協力して企業活動を行う。

組織とはこの様な形のものだと考える。
このとき組織の境界線をキチッと引いてしまうと画期的なものが生まれない。

それぞれの役割が決まっており互いに干渉しない「硬い組織」よりも決まった役割を逸脱しても互いに議論し合う組織「余白のある組織」の方が活性度が高いはずだ。

世の中の官僚組織と、自由闊達なベンチャー組織を比較してみれば理解できるだろう。

 余白とは境界線にある緩衝地帯の様なものだろう。
地政学的な緩衝地帯は相互に干渉しない領域を指すと思うが、活性化した組織の余白は相互に積極的干渉し合う領域だ。


このコラムは、2022年4月4日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1275号に掲載した記事に加筆しました。