高離職率組織の運営


 たった7人(内日本人2人)の幹部で、2,000~2,500人の組織を運営している。しかも2,000人超の実動部隊は無給だ。無給どころかプロジェクトの活動費は、彼ら自身で調達してくる。

このメルマガで何度か紹介した原田燎太郎さんが率いるハンセン病元患者支援の学生ボランティア組織「家-JIA-」の事だ。

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モチベーションの高め方

学生なので、卒業し社会人となれば、ボランティア活動も卒業だ。従って最長4年で組織を離れて行く。つまり年間離職率は最低でも25%だと言う事だ。
このような組織で、成果を出し続けている。
学生ボランティアは、高い貢献意欲を持ち、無給でも喜んでプロジェクトに参加してくる。この秘密を理解できれば、企業経営役立てる事が出来るだろうと考え、東莞和僑会に「家」の原田さん、菅野さんを招き、参加者と共に議論した。

原田さんや菅野さんにとって当たり前に出来ている事は、我々には「奇跡」と言って良いレベルだ。東莞和僑会定例会では出し尽くせなかった秘密を探ろうと、有志メンバーで更に議論を重ねている。

「家」の学生ボランティアは、ボランティア活動の計画、実行、総括のPDCAをまわす事が出来る。大卒新人に社内プロジェクトを任せる事が出来るだろうか?多分そのような無謀なチャレンジをする企業はないだろう。これが出来るのは「家」の教育システムに有る事は分かっている。後は、ボランディアのモチベーションを上げる、場のエネルギーを上げる方法を理解できれば、企業経営にも応用可能だと考えている。

これを体系的に整理し、経営者や経営幹部に対して教育訓練するプログラムを開発すれば「家」の慢性的資金難は解決できると期待している。

しかし事態は急を要するようだ。
最近原田さんから、緊急メッセージが来た。円安により日本の財団からの支援金が目減り、中国財団からの支援も期間短縮で目減りしている。その結果「家」運営事務局の維持が困難になっている。学生ボランティアを育成・支援している母体が無くなってしまえば、ハンセン病支援ボランティアはなくなってしまう。それよりも彼らが、排出し続けているボランティア経験を持つ優秀な新社会人が無くなる。これは大きな社会損失だ。

私個人が出来る支援では、焼け石に水だろう。
このメルマガを読んでおられる方々の支援を是非お願いしたい。

企業として支援、個人として定期的に支援、単発で支援、いろいろな方法が選べる様になっている。

「家」ホームページから支援が出来る様になっている。

ホームページの「サポートする」と言うタグをクリックすると、支援方法の説明が有る。
日本の郵便振替以外にも、中国工商銀行、香港HSBCへの振込が可能だ


このコラムは、2015年12月28日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第456号に掲載した記事に加筆修正しました。

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