私は若い頃電子工学を勉強した。電子回路の授業で「負帰還」「正帰還」と言う概念を習った。
負帰還(ネガティブ・フィードバック)により出力をコントロールする。
帰還回路の中で位相遷移が有ると正帰還(ポジティブ・フィードバック)となり発振する。と習った。電子回路実習の実験などはオペ・アンプが発振すると期待する結果が得られない。発振を停めるためフェライトビーズをフィードバックループの中に入れて、位相調整をしたものだ。
「発振」は実験を阻害する物であり、正帰還がかからない様にする事が重要だった。
以前のコラムでご紹介したジートライでは、積極的に正帰還を取り入れている。
通常紀律の効いた組織を運営するのに、負帰還が多用される。
つまり好ましくない行動や事象を組織にフィードバックすることにより、組織の紀律を保つ、と言うのが負帰還だ。
一方、ジートライで行われている、顧客の良い反応を組織に伝えるのは正帰還となる。組織は発振する。つまり好ましい行動や事象を組織にフィードバックすることにより、組織が自らその行動や事象を強化しようとする状態が「発振」している状態だ。この様な状態を「ノリの良い組織」という。
例えばディズニーランドでは、朝礼で顧客から寄せられた感動・感謝の手紙が共有される。アルバイト職員の感動事例が共有される様になっている。
朝礼に参加している者は、「よし。自分も!」となる訳だ。
これが発振している状態だ。そして組織を発振させる仕組みが正帰還だ。
正帰還により「ノリの良い組織」となる。ノリが良いと言うのは、テンションが高い状態だ。この状態でしっかりと目的・目標が組織内で共有出来ていれば、テンションは目的・目的達成のモチベーションとなる。
あなたの会社には、組織を発振させる仕組みが有りますか?
こちらの書籍もご参考にされていただきたい。
「伸び続ける会社の『ノリ』の法則」遠藤功著
本書のキャッチコピー
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