問題解決の第一歩は、正しく問題を定義する事です。
以前指導していた工場で、工場長が「顧客の注文が多すぎて、納期が間に合わない」とこぼしたことがあります。これは正しく問題を定義していません。
問題は「顧客の注文が多い」ではなく「生産能力が不足している」なのです。
この工場長さんは、うっかり愚痴ってしまっただけですが、現場のリーダクラスがこういう間違いをしていると、問題は解決出来ません。
ある業界の工場に行くと、皆さん完成品倉庫が狭いと言う問題で悩んでおられる。しかし問題を「完成品倉庫が狭い」としてしまうと、倉庫を広くする、外に倉庫を借りるなど投資や費用のかかる問題解決案しか出てきません。
「完成品が多すぎる」と問題を定義すれば、解決方法を見つけることができるはずです。
問題を正しく定義したら、本当の原因を見つけなければなりません。
往々にして、現象から見えている所で原因分析をしてしまい、真因にたどり着かずに対策を検討してしまう。
もっともよく見る例が、顧客不良に対し「作業員の人為ミス」が原因、対策は「作業員の再教育」と言う不具合対策報告書です。
作業員がミスをしたのだから、ミスをしない様に教育訓練をする、と論理的の様に見えます。しかし「人為ミス」と言うのは、「現象」なのです。人為ミスが発生する原因まで分析をしなければ有効な対策は見つかりません。
今回の品質道場では、問題解決のための手法を、演習を通して習得していただきます。
■受講対象者
品質改善、生産改善などの改善リーダ、改善プロジェクトを指導する経営幹部
■プログラム詳細
- 問題の把握
- 問題の発見と特定
- 現状調査
- 原理・原則の理解
- 解決課題の定義
- 目標設定
- 原因分析
- 五ゲン主義
- PM分析法
- なぜなぜ5回
- 対策の立案と実施
- 効果の確認と歯止め