QCC成果発表交流会


2016年12月16日にQCC成果発表交流会を開催しました。
5チームのサークルから発表をいただき、50名弱の皆さんとその活動成果を共有しました。
その概要をご紹介します。

  • 検査課チームimg_1482s
    テーマ:完成品の運搬効率改善
    活動内容・成果:
    FQC検査時に完成品を運搬する無駄、完成品梱包箱を積み上げる重量物作業を改善するテーマに取り組み成果をあげた。

    • FQC検査を製造現場端で行うことにより、完成品梱包箱の運搬、開梱、再梱包作業をなくした。
    • 運搬台車を自作し、パレットへの積み替えをなくした。

    コメント:自部門の効率改善ばかりでなく、出荷品の保管方法を改善し、出荷作業も改善する素晴らしい活動であった。

  • 活力チームimg_1483s
    テーマ:投資効率450倍!生産性改善活動
    活動内容・成果:
    理論上の生産台数423台/日に対し300台/日しか生産できていない。営業の要求400台/日を目標にして改善活動。
    以下の改善を実施し、目標を達成

    • 作業員の目標意識の向上
    • ライン長の離席者補助の遅延をなくす
    • 作業員の離席管理改善
    • ロット切り替え時間の短縮
    • その他6項目の改善

    コメント:
    対象の生産ライン(U字セルライン)はラインバランス99%とというほぼ理想的なラインだが、理論通りの生産量が上がらない要因15個をあげ優先順位をつけて4項目の重点改善、6項目の改善を実施。
    テーマ選定、対策実施を優先順位をつけて活動できた。
    改善効果を他のセルラインにも展開し、歯止めもよく行っている。

  • 冲锋チームimg_1485s
    テーマ:I042不良率削減
    活動内容・成果:
    加工要因による不良(6.98%)の原因を洗い出し、対策を実施。
    不良率3.01%まで改善。
    コメント:
    サークルメンバーと部門長が問題点としてあげた項目を1項目ごとに議論し、「すぐやる」「今回はやらない」「QCCで解決する」に分類して活動テーマを決定している。このようなやり方により、会社方針、部門方針にマッチした活動が可能になる。
    特性要因図によりあげた不良要因を、EDS分析、FTIR分析などの科学的ツールを活用し検証している。
  • TEAM広東img_1486s
    テーマ:金型交換80%短縮
    活動内容・成果:
    段取り替え時間短縮活動により、金型交換時間81分→16分(80.2%削減)176分→35分(80.1%削減)することができた。これにより少ロット生産が可能となり、中間在庫が削減できた。
    コメント:
    「問題解決型」のQC活動ではなく、課題を設定し現状とのギャップを埋める「課題達成型」で活動すると、ストーリィの展開がスムーズになる。また中間在庫の削減も大きな成果(スペースの削減、運転資金の効率向上)になっているはずなので、成果にカウントするとなお良い。
  • 先鋒サークルimg_1489s
    テーマ:モータ絶縁不良の改善
    活動内容・成果
    工程内で発生した絶縁検査不良をゼロにする活動。6項目の改善対策を実施し、3ヶ月約90万個生産し絶縁不良ゼロを達成した。
    コメント:
    QCサークル活動を開始してまだ1年足らず。初めての活動で立派な成果をあげることができた。
    対策を検討するときは、発生原因と流出原因に分けて検討すると良い。
    絶縁不良の原因となる金属異物の発生を防ぐのが原因対策。金属異物を除去する、検査するのは流出対策。
  • 表彰式
    参加者の採点により、以下のサークルが表彰されました。

    優秀賞第一位:検査課チーム 発表テーマ:完成品の運搬効率改善

    qcc1

    優秀賞第二位:活力チーム 発表テーマ:投資効率450倍!生産性改善活動

    qcc2

    優秀賞第三位:冲锋チーム 発表テーマ:I042不良率削減

    qcc3

    優秀賞:TEAM広東 発表テーマ:金型交換80%短縮

    qcc4

    優秀賞:先鋒サークル 発表テーマ:モータ絶縁不良の改善

    qcc5

  • 懇親会
    成果発表交流会後の懇親会で、他社のサークルメンバーと交流できました。
    私は、「金型交換80%短縮」を発表したTEAM広東を派遣してくださった総経理から、こんな話を伺いました。
    金型交換時間が1/5になったことで、少ロット生産が可能になり、生産現場のスペースが節約できた。それ以外にも大きな成果があった。事例発表は成型部門のリーダが担当したが、日本語の通訳を後工程の組み立て工程のリーダが担当した。実はこの二人は仲が悪かった(笑)前後の工程には何かと確執があるモノだ。会社代表として二人が発表する事になり、発表練習でお互いの立場をより理解出来たようだ。特に通訳を担当したリーダが遅くまで練習しており普段とは違う一面を見ることができた、と総経理は話してくださいました。
    QCC活動には、サークルや職場のメンバーのチームワークや人間関係改善の効果があります。サークルや職場を超えて協力関係が構築されるのを、総経理は狙ったのかもしれません。

今回事例発表サークルを派遣してくださった企業様