顧客クレーム(誤出荷)


 以前、生産委託工場から出荷した製品の中に違う機種が一台混ざっていたというクレームをお客様からいただいた事がある。

クレーム品を調べてみると、製品そのものは同じだがラベル銘版を別機種の物を貼って出荷してしまった事が判明。全く同じ製品なのだが、お客様が仕向け地別に型名の枝番号を変えているので、ラベル違いで3機種ある。ラベルも型名の最後の二桁が違うだけで、他は全く同じである。

したがってラベルを貼り間違えてしまう可能性は、生産開始時点から予測していた。
そのため型番ごとに作業指示書を3セット用意し、ラベル貼り作業、目視検査工程の作業指示書にはラベル現物を表示した。

それでも問題は発生した。

工程の記録によると、内部異物(ケースを振るところころ音がする)不良でラインアウトした物がある。内部異物不良が発しすると、超音波融着してあるプラスチックケースを開けて、中の異物を確認・除去しなければならない。従ってケースは再利用できず交換することになる。ラベルも新たに貼らねばならない。

通常であれば修理完了後ライン復帰しラベル貼り工程、目視検査工程を通るので、不良は発生しないはずである。

更に班長の記憶を調査してみると、修理品のライン復帰時に既に別の機種を生産しており、別の機種が流れているラインで班長が持ち回りで、検査梱包工程を通した事が判明。
このときに班長が作業者に間違ったラベルを渡し、目視検査員も見逃してしまった、というのが真相のようである。

万全を期して不具合が発生しないようにしていても、このように意外な落とし穴があるものである。

注意しなければいけない落とし穴は、修理品のライン復帰、抜き取り検査品の戻し先間違い、など見落としがちなところに潜んでいるモノである。


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第八回品質道場「品質改善」


このコラムは、2007年11月5日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第6号に掲載した記事に加筆したものです。

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