儲けとツキを呼ぶ「ゴミゼロ化」工場の秘密


枚岡合金
書籍名:儲けとツキを呼ぶ「ゴミゼロ化」工場
著者:古芝保治
出版社:日本実業出版社



倒産寸前だった町工場・枚岡合金工具の,古芝さんはワラにもすがるような気持ちで「3S」を始めた.整理,整頓,清掃の3Sだ.

バブル時代,5,000円の利益を出すために100万円の売り上げが必要だったそうだ.最悪の経営状態から3Sに取り組んで,一気に業績が回復した.

整理,整頓,清潔で社内の空気ががらりと変わり,従業員の行動も変わった.行動が変わり,新しい行動が習慣になる.

その結果,工場見学に訪れる人が増え始め,工場見学に来た人から仕事を受注するようになった.その噂を聞いたパナソニックの人たちが工場見学に来ると,正帰還がかかったように見学者が増え,今までに8,000人の見学人が来ている.

年間3,000個もの金型を造っているのに,図面がキレイさっぱり整理されている.パナソニックからの見学者が感心する.これが元になって社内で使っていた文書管理システムがビジネスになる.

古芝さんは3Sとしか言っていないが,
工具を探す時間に1分掛けていたのを30秒にする,更にその半分にする,といっている.これが「清潔」だ.
整理,整頓,清掃が人間の感性を磨く,と言っている.
これが「躾」に他ならない.

5Sに真剣に取り組んで,倒産の危機から脱したばかりでなく,新ビジネスまで立ち上げることが出来た.

「たかが5S」と思っている方が多いかもしれないが,ホンモノの5Sとはこういう力を持ったモノだ.

儲けとツキを呼ぶ「ゴミゼロ化」工場