随分昔の事だが、指導していた工場で工程内のムダを何度説明しても分からなかったが、ビデオに撮って見せたら一発で理解し、改善出来た事例がある。
「百聞は一見に如かず」パワーだ。
先週末は、お手伝いしている工場で交流会を実施した。この工場は5Sにしっかり取り組んでおり、5S工場のベストプラクティスといって良いレベルだ。
以前お手伝いしていた企業の幹部に、5Sベストプラクティス工場を見学して貰う事が目的だ。この企業の経営者は、お客様から5Sが素晴らしい工場だと言う評価を受け、工場見学で受注がとれる工場にしたいと考えているが、幹部が「事の重要性」に気が付いておらず、5Sの指導をしても、そこそこのレベルにしか到達しなかった。経営者と幹部間の5Sに対する認識ギャップを、5Sベストプラクティス工場を見せ、可視化しようとした訳だ。
実は、ビデオの百聞は一見に如かずパワーに気が付いていたので、5Sベストプラクティス工場の活動をDVDにして以前見てもらっていた。しかし「生」で見る効果が圧倒的だった。
経営者も5Sの成果をしっかり語ってくれたが、幹部職員が自分の言葉で語り、現場を案内する。これが訪問側の幹部の腑に落ちた様だ。
やはり「百聞は一見に如かず」パワーは絶大だと再認識した。
ホスト側の工場も、案内役となった幹部のモチベーションが上がる。見学者が来ているのを目にする一般作業員も、自分の工場が注目されている事に誇りを感じることができれば、モチベーションが上がる。
どちらにもプラスの効果がある。
今後こういう機会を増やして行くつもりだ。
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日本のモノ造りはトヨタ生産方式などの高度な生産システムばかりが紹介されてるが、5Sが社内の基礎的文化となっているから、トヨタ生産方式がきちんと機能する事を見逃していると言う事実に、多くの人が気が付いていない。
5Sを徹底したことにより生産性が4倍になった。
倒産寸前の会社が3S(整理・整頓・清掃)をやっただけで高収益企業となった。
等の事例がいくつでもある。
このコラムは、2015年8月10日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第436号に掲載した記事に加筆したものです。
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