続・百聞は一見に如かず


 先週のコラムで、他社の現場を見る事ことにより、5S活動のモチベーションが上がった事例をご紹介した。
今週は別の企業の事例をご紹介したい。

5S交流会で中国人幹部に火がつき、自主的に5S活動を始めた日系刺繍工場だ。
日本本社社長が、出張で来るたびに現場がキレイになっているとおっしゃっている。

5Sがうまくいっている企業とそうでもない企業の違いを考えてみた。
5Sがうまくいっている企業は、以下の3点に特徴が有りそうだ。
・トップが率先して取り組んでいる。
・全従業員が参加している。
・楽しくやっている。

上述の刺繍工場では、日本人総経理が率先して5Sに取り組んだ訳ではない。
日本人総経理は「みんなに任せてあります」とおっしゃっている。
今までの経験では、こういう工場は5Sは盛り上がらない。
しかし経営者の指示ではなく、自主的に活動を始めて既に3ヶ月。大変興味が有り、先日工場を訪問して来た。経営者や幹部の話を聞いて理由が分かった。
中国人副総経理が本気で取り組んでいる。彼曰く「5Sが上手く行かなかったら、責任を取って会社を辞める覚悟です」。日本人総経理も日本本社社長も彼を全面的に支援している。

5Sが上手く行く理由「トップが率先して取り組んでいる。」は「経営幹部が率先して取り組んでおり、トップが全面的に支援している。」に変更する必要があるかもしれない(笑)

もう一つ5Sが上手く行く理由を挙げるとすると、活動の中心となるメンバーが、5Sがうまくいっている状態をイメージ出来ている、を追加すべきだろう。
他社との交流会により、5Sが素晴らしい職場を具体的にイメージ出来る事が大きいと考えている。


このコラムは、2015年8月17日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第437号に掲載した記事に加筆したものです。

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