百年の計


 先週のコラムで、「チーム型コミュニティ」について書かせていただいた。

「チーム型コミュニティ」

弊社のサポート企業様を中心にコミュニティを作り、コミュニティで切磋琢磨することにより、更なる成長を目指すことが目的だ。

私が理想としているサポートは、お客様での改善活動などを通して、お客様のリーダを育成する。契約期間が終わった後も、育成したリーだが中心となり、改善が継続するのが理想状態だ。

そしてこの理想状態を、コミュニティでの交流を通じてさらに強化する。
それがチーム型コミュニティの目的だ。

こうすることで、私がいなくても、お客様での改善が継続するという状況を作り出せると思っている。「百年の計」とは少し大げさかもしれないが、このようなコミュニティを作ることができれば、私が引退した後も継続可能になるはずだと考えている。

実はこのような考えに至ったのは、現役会社員時代の反省からだ。
当時は「プレーイングマネジャ」として、自分自身も業務に関わりながら組織のマネジメントをしていた。もちろん業務もマネジメントも両方全力で取り組んだ。
しかし「業務能力」を磨くことに意識が集中し、部下の育成が不十分だった。
部下の育成のために、年間教育計画も作り実施していたし、自分のノウハウを部下に伝えるために、チェックリストを作ったりもした。しかし正直に言えば心の底で、チェックリストでは自分のノウハウを伝えきれない、と思っていた。

圧倒的な業務能力を持ち、品証の仕事は「林をおいて余人に替えられない」と評価されていた。当時はこの評価が賞賛だと勘違いしていた。
今思い返せば、この評価のために役員になるチャンスを2度失った。

自分がいなくても、部下が立派にやり遂げる状況を作り出せていなかった。
さらに言えば、自分がいなくても部下が成長し成果があがる仕組みを作ることが出来なかった。

経営者は、自分が引退した後も会社が発展することを念頭に経営をしているはずだ。中堅幹部、経営層幹部も同様に、自分がいなくなっても(別の部門に異動する、昇格する)組織が成果を出し続けることを目指すべきだろう。


このコラムは、2015年9月28日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第443号に掲載した記事に加筆したものです。

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