外国人専門家の懇談会


 先週は,広西省柳州市政府から招待を受け「国外専家柳州行座談会」という会議に出席して来た.柳州の企業をサポートしている,もしくは柳州で経営をしている外国人の座談会だ.
米国,ドイツ,フランス,ベルギー,日本の専門家が23人集まった.自動車関連企業を中心に様々な業種の人たちが参加していた.ドイツ人の女医さん,乳製品の工場を経営しているフランス人,ベルギー人の農業家,米国の大学教授をしている台湾華人のコンサルもいた.

それぞれの外国人専門家が,柳州の産業発展のためのアドバイスをし,それを政府の役人が聞くと言うスタイルで,会議が進んだ.

外国人子弟のための,インターナショナルスクールが欲しいとか,生活面での改善を要求する方もあったが,大方が,中国人の人情とか,風景環境などを賛美する,よいしょ的発言が多かった(笑)

私は,以下の2点についてPPTを用意していた.

  • スマイルカーブで製造業の位置を示し,今後どの方向に向かうべきか.
  • 製造業を,設計力,モノ造り力の2軸,4象限でカテゴライズし,日本のモノ造りがたどって来た道と,中国のモノ造りの位置を示し,今後中国製造業が目指すべき方向と,課題(本日のテーマに書いた内容

しかし会場にはプロジェクターはおろか,ホワイトボードさえなかった(苦笑)
この2点を,図を見せずに語るのは困難だ.特に第2点目は.フレームワークを頭に描かなければ,理解出来ないだろう.涙をのんで,第1点目だけを,はしょって話をした(笑)

本当は第2点目の話をしたかった.
それでも大学教授の台湾華人は,スピーチ後の懇親会ですばらしいスピーチだったと,話しかけてくれた.お世辞とは思うが嬉しいモノだ.

柳州政府は,外国人専門家の意見を政策に反映するつもりで会議を開いたとは思えないが,ものすごく金のかけている感じだった.30人は座れる丸テーブルで豪華な食事が振る舞われた.久しぶりに豪勢な広東料理を食べた(笑)
柳州の工業区に融資してくれた企業へのサービスなのだろう.

ところで会議の公用語は,英語だった.それぞれの専門家の通訳が,中国語に通訳する形だった.
ここ5,6年英語を話す機会が全くなく,自分の英語が錆び付いているのを痛感した.
それでも,会場を辞す時にドイツ人の女医さんに「アウフビーダーゼイエン」とドイツ語で挨拶出来た.40年前に習ったドイツ語が,すっと出て来たのには自分でも驚いた(笑)


このコラムは、2012年10月22日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第280号に掲載した記事です。
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