部下の仕事ぶりにこんな不満を持っておられる方はいらっしゃるだろうか?
- 指示したことしかできない.
- もう少し気を回して欲しい.
- 指示待ちではなく,自発的に仕事をして欲しい.
こういう不満は,中国だからとか,従業員の年代とかに関わらず,普遍的な不満だ.
一方部下の方もこんな風に考えているのではないだろうか?
- 上司の指示が曖昧で何をすればよいか良く分からない.
- 毎日毎日同じような仕事でつまらない.
- もっとやりがいのある仕事があればすぐ転職したい.
上司と部下がこの様な関係では,仕事で成果を出すのは困難だ.
上司は部下を「管理」しようとし,組織にはいつも緊張感が高まっている.
部下は「管理」される息苦しさを感じ,職場は閉塞感が漂っている.
こんな残念な結果になっていないだろうか?
こういう残念な結果に陥っている組織は,圧倒的にコミュニケーションの量が不足している.
この状況を打開するためには「共通の言語」が必要だ.「言語」と言っても中国語とか日本語という意味ではない.
「共通の価値観」と言った方が分かり易いかもしれない.日々話す言葉の様に共通のモノが組織内に必要だ.
ここに来るのは「組織の目的」とか「経営理念」というモノではなく,もっとベーシックな組織風土のようなモノだと考えている.組織風土がまず強固に出来上がっていなければ,「経営理念」も砂上の楼閣となろう.
顔を合わせたら挨拶をする.仕事を始める前に職場を掃除する.
こうした皆が暗黙のうちにとる行動の元になっている価値観を「共通言語」と表現してみた.
神が人々に複数の言語を与えたため,バベルの塔が崩壊したという伝説は、共通言語欠落の象徴だろう。
そうした共通言語を持つ事が「躾」であり,共通言語の上に「ホウレンソウ」が芽生える.
ホウレンソウは勝手に生えて来る訳ではない.
ホウレンソウに適した土壌が必要であり,種を蒔かねば生えてこない.
そこに適切に水を与え,日光と肥料を与えなければならない.
これは経営者や経営幹部の仕事だ.
組織風土を改革出来るのは,経営者であり,それを支援するのが経営幹部だ.
このコラムは、2013年1月14日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第292号に掲載した記事に加筆しました。
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