データで確認する


 常識だと思って、間違った判断している事が、意外と多いのではないだろうか?

例えば、静電気による不良は空気が乾燥している冬の方が多い、と皆が思っているが、実は夏場空調の風が当たる場所の方が帯電しやすかったりする。
ヒューマンエラーについて研究している中田亨氏は、ヒューマンエラーによる労働災害のデータを調べてみると、常識と思っていた事がことごとく違っている。と指摘している。

「ヒューマンエラー対策 事例から見たミス防止の実際」中田亨著

以下の様な事例が上記の書籍に出ていた。

  • 安全事故が多い時間帯:終業時刻間際? または 午前中?
  • 事故が多い季節:夏と冬? または 季節で有意差なし?
  • 事故を起こしやすい人:慌て者、新人,年配者? または 模範的中堅者?
  • 落下事故が起きやすい高さ:3m以上? または 3m未満?

どちらが正解と思われるだろうか?

調査データによると、全て後者だそうだ。
「常識」だと思っている事がただの「思い込み」である、という事が多い様だ。
「こうであるに違いない」と思い込んでいると、全てがその様にしか見えなくなる。他の考えが思い浮かばなくなる。

事実は現場・現物・現実でデータで理解する。
データがないモノは、先ず疑ってかかる。
このくらいの心構えがちょうど良いくらいだろう。


このコラムは、2017年3月6日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第518号に掲載した記事に加筆しました。

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